ブラジルの笑い話 その30 我慢

ハイキングに来ていた家族が山の中で道に迷い、歩き回っているうちにどんどん森の奥に入ってしまい、とうとう夜になってしまった。

子供が泣きながら「神様、助けて」と言うと、森の神様が現れて言った。

「お前たちの望みを一つだけ叶えてやろう」

すると父親がすぐに答えた。「私たち家族を、とても我慢強くしてください」

「わかった。その望み叶えよう」

神様は杖をひとふりすると、闇の中へ消えていった。


神様が消えると、父親の意外な言葉にぽかんとしていた母親と子供たちが一斉に文句を言い出した。

「お父さん!どうして道を教えてって言わなかったの」

「お父さん!ヘリコプターを出してって言えばよかったのに!」

「あなた!こんな森なんてどうせすぐに抜け出せるんだから、世界一のお金持ちにしてもらえばよかったのに」


しかし3人はすぐ口を揃えて言った。

「・・・って言いたいけど、我慢する」

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