「鎌倉ものがたりと横須賀ストーリー」 その22 浄智寺を見学
東慶寺の次に、鎌倉五山第4位の格式の高い臨済宗円覚寺派の浄智寺に行った。
この浄智寺は、鎌倉幕府第5代執権・北条時頼の3男である北条宗政の菩提を弔うために1283年に宗政の妻と兄北条時宗により創建された寺である。
総門の前には、鎌倉十井のひとつである甘露の井がある。
水道が普及する以前は海辺の町である鎌倉、潮混じりの湧き水が多く、この井戸のような質の良い水は大変貴重だったという。
これが寺の入口の総門である。
寳所在近という言葉が屋根の下に掲げられているが、修行中のお坊さんたちへのメッセージで、その意味は「がんばって修行を積めば、意外と早く悟りに到達できる」ということだという。
お寺に入る前の心構えが出来そうな言葉ではある。
重層一間一戸の山門は、上層が鐘楼を兼ねている珍しい形式のもので、花頭窓をあしらった中国風の意匠が特徴である。
この山門を潜ると仏殿である。
この仏殿(曇華殿)には、阿弥陀・釈迦・弥勒の三如来が安置されていて、それぞれ過去・現在・未来の三世を表している。
ここは仏殿の裏手に建つ書院で、茅葺き屋根の素朴な造りで、庭には季節ごとに四季折々の花が咲くという。
また境内にはやぐらと呼ばれる横穴がいくつかあり、古くは住まいとして、その後は墓所となり、やがては倉庫として使われたという。
境内奥の洞穴の中に立っている布袋さまは鎌倉・江の島七福神めぐりの布袋和尚である。お腹をさするとご利益があるとされ、皆さん触っていくのでお腹のあたりが黒くなっている。
僕も、旅の無事とそれ以上のご利益に預かるために(つい欲が出てしまう)、しっかりお腹を何度も触った。
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