「日本最長10河川の旅」での釣り 北上川への旅 その5 宮沢賢治の書いた童話や物語から その1「注文の多い料理店」や「どんぐりと山猫」など  (k)

イーハトーブ館の後に童話村へ行ったが、ここではその話は省略し、それに替えて宮沢賢治の童話や物語の幾つかを紹介する。

 宮沢賢治の書いた童話や物語を思いつくままに列挙してみると、「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「虔十公園林」「「グスコーブドリの伝記」「よだかの星」「やまなし」「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」「どんぐりと山ねこ」「シグナルとシグナレス」「なめとこ山のくま」「種山が原」などが思い浮かぶ。

童話として誰もが面白いと感じるのは、「注文の多い料理店」「どんぐりと山猫」のような話だろう。

「注文の多い料理店」は、料理を食べに来た人間が、逆に山猫に食べられてしまうというストーリー、休憩した山猫軒はこの「注文の多い料理店」がモデルとなっている。

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 だんだん裸にさせられ、身体を洗って味付けされていく過程は、我々が生き物を料理していく過程と同じで、自分が普段料理の対象としている生き物たちによって逆に料理されるというところが、ちょっとブラックユーモアかなと感じる。

  この話は、途中でストーリーが読めてくる仕組みとなっている。
 推理小説を読むような感じがする。

「どんぐりと山猫」は「どんぐり中での誰が一番偉いか競争」に巻き込まれ、困った山猫が人間の少年に解決を頼むという話で、どんぐりたちの言い分は人間社会の風刺である。

どんぐり達は一番えらいのはだれかというので騒いでいるのだが、頭の尖っているのが偉い、いや丸いのが偉い、いやそうではなく大きいのが偉いという騒ぎで、山ねこには騒ぎを収集できない。
 
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 そこで、人間の一郎に頼むことになるのだが、一郎が「一番馬鹿で不恰好で、どうにもならなくて最低のやつが一番偉い」と言うと、どんぐり達の騒ぎは終わったという話。

そういう話より重く、賢治の思想というものを感じるのが、「虔十公園林」「グスコーブドリの伝記」である。

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  虔十公園林は、どんな人間でも、たとえばデクノボーと呼ばれみんなに馬鹿にされているような人間でも仏法の加護はあり、そういう人間である虔十の植え育てた杉の並木が、植えた人が疫病で死んだ後、数十年後には立派な森となり、住民たちの憩いの場になるというお話で、真面目にみんなのために働いていればいつか報いが訪れるという法話に加えたい話となっている。

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