「鎌倉ものがたりと横須賀ストーリー」 その26 建長寺の仏殿などを見学

三門の次は仏殿である。

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この仏殿も重要文化財で、寄棟造となっており単層裳階が付いている。

もとは芝(東京都港区)の増上寺にあった徳川秀忠夫人崇源院の霊屋で、建て替えに際して1647年に建長寺に移築譲渡された。

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仏殿の中に入ると、釈迦仏の本尊が多い禅寺としては珍しく、地蔵菩薩像(室町時代の作、像高2.4メートル)が本尊として安置されている。

また、もともとこの地にあった心平寺の旧本尊地蔵菩薩坐像、千体地蔵菩薩立像、千手観音坐像、伽藍神像なども安置されている。

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天井だが、普通の禅宗仏殿では平板な鏡天井とし龍などの絵を描くことが多いが、この仏殿の天井は和様の格天井(ごうてんじょう)である。

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次の法堂は仏殿に比し極めて煌びやかである。

ここも重要文化財で、禅宗以外の寺院の講堂に相当する建物で1814年の建立である。

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内部には千手観音坐像を安置しているが、この像は鎌倉最大級の木造建築で2005年に重要文化財となっている。

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 天井画は縦10m、横12mにおよぶ大迫力の雲龍図で、鎌倉在住の日本画家である小泉淳作氏が1年以上の歳月をかけて制作した力作である。

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そして方丈入口の門である、これも重要文化財の唐門である。

唐門も仏殿と同じく芝の徳川秀忠夫人崇源院霊屋から移築したもので、関東大震災以来の大修理が2011年5月に終了して移築当時の姿が再現されている。

方丈は竜王殿とも称し、総門と同じく京都の般舟三昧院から移築したものである。

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この国指定遺跡の方丈庭園は初代住職である蘭渓道隆が造った庭園で、優雅な曲線が造る池の形は漢字の「心」をかたどっているといわれている。

1時間程かけて建長寺を見学した。

建長寺は今まで見た鎌倉の寺の中では一番大きくて、どこか日本の寺離れしているのは、中国人が開山して中国の寺を真似て造ったからなのだろう。

建長寺の境内には、東日本大震災関連のボランティアによる行事の一環として、被災地の石巻の人たちの提供する屋台が沢山出ていた。

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 最後に、蘭渓道隆が建長寺創建の際に中国から持って来た種が大きく育って、高さ13m、胸高周囲6.5mにもなった柏槙(和名はイブキ)の木を紹介して、建長寺を終わる。

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