韓のくにの旅 韓の国の旅その45  宗廟を見学 その3

 正殿へ行く頃から、雨足が本降りとなって来た。

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 あまりに雨の勢いが激しいため、正殿の屋根の下で雨宿りをしているツアー客もいる。
 宗廟の皇帝や皇后の霊たちの怒りかなどと本気で考えてしまいそうな程の雨足。

 
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 その雨の中、韓国人の日本語ガイドは、正殿前にスックと立って、正殿の説明を非常に懇切丁寧に、わかりやすく話してくれた。
ここからは彼女の話の要約である。

 ⑧の正殿は宗廟の中心をなす建物で、この建物が宗廟と呼ばれていたが、永寧殿が建てられてからは太廟(テミョ)と呼ばれたりもした。
 李朝時代の初期には太祖の4代祖の位牌を祀り、それ以降は当時の在位王の4代祖と歴代王のなかでも特に功績のある王と王妃の位牌を祀り、祭祀を行った。
 現在正殿は西側を最も上とし、第1室である西側1番目の間に祀った太祖(1代目)の位牌から、李氏朝鮮の最後の皇帝である純宗皇帝(スンジョンファンジェ・27代)の位牌まで、各王と王妃あわせて計49位の位牌が19室に祀られている。

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 正殿の建築様式は単純で、位牌が新たに安置されるたびに増築が重ねられ、韓国の単一建物としては最長の建物(101m)となった。

 前面に長く整えた石を積み上げて作った広い月台(東西109m、南北69m)を置き、祀廟建築としての品位と荘重さを表わしている。
 位牌が安置された各部屋の扉「板門(パンムン)」は、祭礼儀式の時以外は堅く閉じられているが、魂が自由に出入りするためそして内部の湿度を調節するために、表面は所々隙間がある造りになっている。

 豪雨の中、引き続いて永寧殿(ヨンニョンジョン)へ行く。
説明者の日本語ガイドのみ雨の中に立ち、僕らは全員建物の中や屋根の下に隠れて、彼女の説明を聞いた。


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 ここからは彼女の話の要約である。

 永寧殿は、正殿にずっと祀られていなかった王と王妃の位牌を移動し、祭祀を行った別廟で、永寧殿の「永寧」とは祖宗(チョジョン・国王の先祖)と子孫の道が共に平安であるように」という意味が込められている。
 永寧殿の建物と廟庭の規模は正殿よりも小さいが、これは2つの建物の階級の違いを表わしている。

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 また永寧殿は、真ん中の太祖の4代祖を祀った4間を、その左右の夾室(横に付属した小部屋)6間よりも高くし、階級を区別している。

 左右の夾室6間には定宗(2代)、文宗(ムンジョン・5代)、端宗(タンジョン・6代)など正殿に祀られなかった王と王妃、そしてのちに称号を贈られた王と王妃のあわせて34位の位牌が16室に祀られている・・・・。

 豪雨の中の宗廟見学はとにかく無事終わったが、バスまでの帰りが地獄となった。
そこらじゅうの水溜りを避け、ほとんど役に立たない傘を持ちながら、どしゃ降りの中をバスへ急いだ。

 このため、ほぼ全員がバスの中で着替えるという結果になったが、幸いにして風邪をひいたツアー客は出なかった。

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