「司馬遼太郎とゆく10年の旅」プロローグ その2
この司馬遼太郎の著作群の中で、「街道をゆく」を選び「10年の旅」の教科書とした。
「街道をゆく」は単行本・文庫本では1巻から43巻までのシリーズ本として編集されている。
「街道をゆく」は単行本・文庫本では1巻から43巻までのシリーズ本として編集されている。

「街道をゆく」は司馬遼太郎自身が、「もし自分の仕事の中で後世にまで読み続けられるものがあるとすれば、それは街道をゆくになるのだろう」と語っていたという。
「街道をゆく」は、唯の旅行記ではない。
街道・みちに視点を傾けることで、交通という視点から、日本そして世界の歴史を展望、最終的には「日本の国と日本人」という司馬遼太郎の永遠のテーマを自らの足で探検していった、旅の中で考え旅の中で発見し、旅の中で彼自身も成長を続けてきた未完の大作である。
1971年(昭和46年)作者47歳の時に「週刊朝日」で連載開始、1996年(平成8年)2月に作者急逝により、43冊目の『濃尾参州記』で絶筆(未完)となった。
25年に渡る旅の記録である。
今度の旅は、既に走破した「日本最長十河川10年の旅」の旅の2.5倍の、25年の長さの旅である。
司馬遼太郎はその旅を湖西の道の近江から始めた。
25年かけて、単行本・文庫本の編集に従えば、下記のような旅をした。
今度の旅は、既に走破した「日本最長十河川10年の旅」の旅の2.5倍の、25年の長さの旅である。
司馬遼太郎はその旅を湖西の道の近江から始めた。
25年かけて、単行本・文庫本の編集に従えば、下記のような旅をした。

1.甲州街道、長州路ほか
2.韓のくに紀行
3.陸奥のみち、肥薩のみちほか
4.郡上・白川街道、堺・紀州街道ほか
5.モンゴル紀行
6.沖縄・先島への道
7.大和・壺坂みちほか
8.熊野・古座街道、種子島みちほか
9.信州佐久平みちほか
10.羽州街道・佐渡のみち
11.肥前の諸街道
12.十津川街道
13.壱岐・対馬の道
14.南伊予・西土佐の道
15.北海道の諸道
16.叡山の諸道
17.島原半島、天草の諸道
18.越前の諸道
19.中国・江南のみち
20.中国・蜀と雲南のみち
21.神戸・横浜散歩、芸備の道
22.南蛮のみちI
23.南蛮のみちII
24.近江散歩、奈良散歩
25.中国・閩のみち
26.嵯峨散歩、仙台・石巻
27.因幡・伯耆のみち、檮原街道
28.耽羅紀行
29.秋田県散歩、飛騨紀行
30.愛蘭土紀行I
31.愛蘭土紀行II
32.阿波紀行、紀ノ川流域
33.白川・会津のみち、赤坂散歩
34.大徳寺散歩、中津・宇佐の道
35.オランダ紀行
36.本所深川散歩、神田界隈
37.本郷界隈
38.オホーツク街道
39.ニューヨーク散歩
40.台湾紀行
41.北のまほろば
42.三浦半島記
43.濃尾参州記
単行本・文庫本の数全43冊、旅の総数は73回である。
赤字が外国の旅だが、中国(台湾も含む)とモンゴルと朝鮮(韓国の領土のみ)とスペインとポルトガルとオランダ、日本の歴史に深く関わってきた国を旅行しているのが司馬さんらしい。
それとは関係なく異色なとこではアイルランドとニューヨークになるのだろう。

司馬遼太郎の行なった旅をそのまま実際に行うことは可能だが、「僕の財布の中身と自由にできる時間」が許すはずもない。
この43巻の中身の旅をセレクトして、1年に3回実施し、それを10年間行うという「10年の旅」の計画を作成した。
タイトルも長いし、時間も長い旅で、10年がかりの旅である。
「司馬遼太郎の街道をゆくを旅する10年の旅」というタイトルの旅である。
こんなに長くては何かとたいへんなので、「司馬遼太郎とゆく10年の旅」と簡略にした。
この旅の中で、「日本とは何か、日本人とは何者か」、司馬遼太郎がライフワークとした永遠のテーマを、この10年を掛けて、自分の足と五感を駆使して探ってみたいと思っている。
この記事へのコメント