奈良散歩 その58 香薬師堂

 本堂から外に出た。
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 次に、本堂左手にある会津八一歌碑を見た。
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 この歌碑には、こういう歌が刻まれている。

  ちかづきて あふぎみれども みほとけの
       みそなはすとも あらぬさびしさ 

  この歌には「香薬師を拝して」という詞書があり、意味はこうなる。
 香薬師に近寄って仰ぎ観ても、み仏が自分を認めてご覧下さることもないこの寂しさよ。(もっとくだいて書けば、香薬師のような偉い仏様に相談事をしたいと思っても、聞こえない振りをし、知らぬ顔して相手にしてくれないので寂しいとでもいう感じなのだろう。)
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 新薬師寺の香薬師像は旧国宝に指定され、白鳳の最高傑作といわれた美仏であるが、昭和18年に盗難に遭って未だに行方が分かっていない。
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 歌碑の左側にある門から入って、かって香薬師像の置かれていた香薬師堂に向かった。
 お堂の前には池があり、その上に小さな橋が架けられている。
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 橋を渡って、お堂の前に立った。
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 この香薬師堂には通常は公開されていないが、2躰の地蔵菩薩像が安置されている。
 平家物語に登場する悪七兵衛景清にちなんだとされる「景清地蔵」と、全裸の珍しいお姿が特徴で安産や健康にご利益があるとして信仰を集める「おたま地蔵」である。
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 これらは元々興福寺の別院であった勝願院にあったもので、その後新薬師寺に移されてきたものとされている。
 会津八一に導かれながら、新薬師寺を後にした。

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