少年行  李白


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    少年行  李白



   五陵の年少 金市の東

     銀鞍白馬 春風を度わた

        落花踏み尽くして

     何れの処にか遊ぶ

        笑って入る

        胡姫の酒肆の中





五陵の遊侠の少年たちが、金市の東の盛り場で

銀の鞍をおいた白馬にまたがり、春風の中わとおりすぎてゆく


落花をふみにじり、思いきり馬をかけまわしたあげく

さて何処へしゃれこもうとするのか

外人の女がいとなむ酒場のなかへ、どやどやと、傍若無人に

笑いながら入ってゆくのである。



 

 五陵は長安の北にある漢代の帝王の五つの墓。

 このあたりには侠客の親分が子分をかかえて大勢住んでいたという。

 金市は長安の西の市場。外国の商人が多く住み、珍しい商品があった。

 金市の東は、商店街の近くの歓楽街であろう。

 そこにいる胡姫すなわちイラン系の美女を目当てにさっそうと通う若者を歌う。



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