満漢全席(まんかんぜんせき)とはこんなもの

 満漢全席(まんかんぜんせき)とは清朝の乾隆帝の時代から始まった満州族の料理と漢族の料理のうち、山東料理の中から選りすぐったメニューを取りそろえて宴席に出す宴会様式である。



 後に、広東料理など漢族の他の地方料理も加えるようになり、西太后の時代になるとさらに洗練されたものとなった。

 盛大な宴の例では途中で出し物を見たりしながら、数日間かけて100種類を越える料理を順に食べる場合もあったと言われる。しかし、清朝が滅亡するとこのような贅を尽くすことはなくなり、宮廷内の料理人は四散して料理の伝統が途絶えたとされる。

 満漢全席の中でも一部の料理については宮廷内の料理人が伝え一般的になっているものもあるが、現在、中華料理店で出される満漢全席といわれるものの多くは宮廷と無縁の料理人が資料に基づいて、あるいは想像を膨らませて調理したものが多いとされる。



 満漢全席には山・陸・海などから珍味を8品ずつ集めて「32珍」と定義したものがある。

以下はその一部である(括弧内は繁体字)。









海八珍




◆魚翅

 フカヒレ。中でもウバザメやジンベイザメのそれは天九翅と呼ばれ、繊維一本がモヤシより太い最高級品。四大山海珍味の一。




◆燕窩

 アマツバメが自らの唾液腺からの分泌物で造った巣。実は海藻は殆ど含まれない。古代中国では訓練した猿に布袋を持たせ採取させたと云う。




◆魚骨

 チョウザメの軟骨。唐揚げにすると全部バリバリいける。




◆魚肚

 魚の浮袋。




◆鮑魚

 アワビ。乾燥品は超高級食材。




◆大烏参

 黒ナマコを乾燥させたもの。四大山海珍味の一に数えられる高級品。

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◆海豹

 アザラシ。2011年初頭、中国へのアザラシ肉輸出を決定したカナダに対し中国の動物愛護団体が「中国人が何でも食べると思ってるのか、これは人種差別だ」と唱えたのは記憶に新しい。




◆狗魚

 オオサンショウウオ。日本でも「半裂き」と呼ばれ、古くから食されてきた。現在口にする事は難しい。







草八珍



◆猴頭菌

 ヤマブシダケ。ケセランパサランっぽい茸で漢方でも重宝される。鶏ササミのような独特の食感と風味が特徴。四大山海珍味の一。

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◆羊肚菌

 アミガサタケ。茸の皇帝と呼ばれ、中国に古くから伝わる『薬食同源』の考えを表す茸。




◆竹笙

 キヌガサタケ。茸の女王と呼ばれる、高い中国料理によく入ってるスポンジ状のアレ。下処理をしてない状態のものはくっさい。




◆花茹

 シイタケ。今や庶民の味。噛むほどに豊かな味が出る干椎茸の破壊力は抜群。




◆銀耳

 乾燥させた白キクラゲ。プリップリの食感が病み付きになる。不老長寿の力があるとして重宝された。




◆黄花菜

 金針草とも呼ばれる。漢方でも重宝されるワスレグサ(カンゾウ)のつぼみ。




山八珍



 

◆駝峰

 ラクダの背瘤。脂肪の塊であり、言わば超濃厚ホルモン。意外とネットで簡単に手に入る。




◆熊掌

 熊の掌(肉球)。日本でも割に食される。プリップリの脂ギッシュで前脚の方が旨い。四大山海珍味の一つ。









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◆鹿筋

 鹿のアキレス腱。プリップリのプリ旨。




◆猩唇

 オランウータンの唇。プリ旨だったとか。今や正規ルートでは口にできない代物。



 

◆彪胎

 豹の胎児。




◆犀尾

 サイの尻尾……ではなく、サイのペニス。象に次いで陸上第二位の巨獣の性器は満点の精力剤。これも今では食するのは至難の業。




◆象拔

 象の鼻。中国国内では稀にだが未だに乾燥品を目にする事ができるとか……。




◆猴頭

 猿の脳。縛って拘束した猿を中心に穴の開いた卓に入れ、頭蓋に開けた穴から生きたまま直にすくって食べる のが古流。お好みで味噌、胡麻油、辣油などを混ぜ込むのもまた一興。とろりとした舌触りにピリッとした薬味が溶け合い絶妙だとか。今でも結構食べられる場所は多いが、衛生上さすがに生食は少なくなっている。





 

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