「播磨と淡路のみち」 その39 由良港と民宿魚春

洲本城を下って由良港に向かった。


由良港は天然の防波堤とも言うべき成ヶ島が形作るラグーンの由良湾内にあり、天然の良港となっている。



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 港の岸壁では、かなりの数の釣り人達が鰺などのサビキ釣りに興じていた。

 天然の良港としての由良は、瀬戸内海の海上交通の重要な場所であった紀淡海峡を治める拠点として、海上の交流・交易拠点として、海人の活動拠点となった。



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 由良港の対岸にあるのが、由良の東側の紀淡海峡に南北約2.5kmにわたって砂州が伸びる、この細長い成ヶ島(なるがしま)である。

由良と成ケ島はかって安宅水軍の本拠地であった場所で、由良港を中心に戦国時代には洲本の政治・産業の中心でもあった。



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  成ケ島は瀬戸内海国立公園の一部となっていて、淡路橋立とも呼ばれている。

淡路島から約100m離れていて、由良港から渡し船があり約2分で島に連絡している。


成ヶ島の西側には干潟が広がり、砂州や干潟沿いに希少な海浜植物が自生し、ハクセンシオマネキなどの希少動物も生息しているという。



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  また、島の西側の由良湾内ではハマチの養殖が行われ、春には潮干狩りでアサリなどが採取でき、アカウミガメが紀淡海峡側から上陸して砂地に産卵するのが見られるという。

淡路橋立に渡ってみたかったが、島に渡るとすぐには戻れない気がして、早めに宿に入ることを選択した。


午後3時には、民宿魚春に入った。



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  この宿はまったく普通の民家と変わらない造りで、レンタカーを停めながら、ここでいいのかと何回も思った。

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 夕食は部屋で食べたが、鯛などのおつくりと鱧(ハモ)鍋での贅沢な夕食となった。

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 鱧鍋は言うまでもなく、鱧も今まで食べたことはなかった。

 鱧は東日本では京料理を提供する高級日本料理店以外ではあまり目にすることはなく、生活に密着した食材ではないため高級魚というイメージがある。


 鱧の消費量は関東では関西の十分の一程度であり、関西と関東の文化の違いがはっきり現れている食材の一つである。



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 初めて食べた鱧鍋だが、鱧の身は口の中でとろけるくらいに柔らかく、言葉でいいようのない程の味で感激した。

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 この旅館は快適に過ごせた。

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 民宿魚春での朝食も、卵かけご飯でおいしくいただいた。

 淡路島での2日目が始まった。

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