「鎌倉ものがたりと横須賀ストーリー」 その44 横須賀の夜は中央酒場で
夕食後、「酒場放浪記」では無いが、近くの中央酒場で横須賀の夜を楽しんだ。
中央酒場のような大衆酒場が横須賀中央駅近くから入った横道には3軒ほど軒を連ねていて、足の向くままこの中央酒場に入った。
ここで、ホッピーを飲みながらアジ刺しを食べ、横須賀の夜を楽しんだ。
僕の席の横で同じようにホッピーを飲みながらアジフライを食べていた横須賀在住の75歳位の老紳士と偶然出会い、司馬遼太郎の話で盛り上がった。
僕が司馬遼太郎の「街道をゆく 三浦半島記」を事前に読みながら横須賀や三浦半島を旅していると話すと、老紳士も同じようにこの本を読んでおられて共感するところがあったのか、1時間程ホッピーを飲みながら「司馬遼太郎と横須賀の世界」に浸った。
彼と交わした会話は今ではほとんど覚えてもいないが、旅行用のメモノートに記録が残っているので、それを見ながら話を進めていく。
印象に残った会話だけを記す。
1 基地があり原発に匹敵するほどのイージス艦が航行しているのに、横須賀の町では小学生に、この町は日本一安全な町だと教えている。もし戦争になれば、間違いなく最初に標的にされるのは、この横須賀の町である。
2 横須賀は幕末の黒船来航から、外国に備えるために鉄工所を造り、それはやがて造船所となり、海軍の町(基地の町)として栄えて来たが、今でもここはその頃のままの町である。
3 三浦半島は三浦一族が住み着いた場所であり彼らの支配した地域であるが、半島には今でも実際に三浦一族の霊が良く出てくる。
4 司馬遼太郎の「街道をゆく 三浦半島記」は、我々横須賀に住んでいるものにとっては中身が少なすぎて物足りない。
彼は、僕が過去に旅した青森県の「北のまほろば」や、北海道の「オホーツク街道」の内容の濃さを評価していて、あのくらいのことを「三浦半島記」に書いてもらいたかったと言っておられた。
5 老紳士は、「司馬さんは好きですよ」とおだやかに言っておられたが、学生時代にはヘルメットをかぶって東京からここまで更新して平和を訴えたこともあるという。
「でも、ここでは誰もそういう者どもを相手にしない、ここはそういうとこだ。」と断定的に、そう悔しそうでも無く言っておられた態度が印象に残った。
1時間程老紳士と飲んで、有意義な時間を過ごしてホテルに戻った。
翌日の朝食はホテルで無料提供しているカップラーメンで済ませた。
そして今日は、横須賀(三浦半島)最後の旅となる一日である。
そしてこれが今日の日程、三浦半島最南端の城ヶ島まで行く予定である。
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