「鎌倉ものがたりと横須賀ストーリー」 その46 小網代の森を探検 その2

危険な森を慎重に歩いて行く。

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どういう道か想像できるような、見通しのきく平坦で単調な道はつまらないので、このくらいの道の方が歩いて楽しくなる。

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歩き始めてから20分くらいで、標高16.5mの「まん中湿地」まで来た。

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手前に張り出している木の奥に湿地帯が広がっている。

 前から興味を持っていた小網代の森を、一人で、ただ眺めて3分の2程歩いていた。

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この「やなぎテラス」近くで小網代の森の管理人をされている方と再び出会い、残りの3分の1を彼と歩いたので、いろいろ興味深い話を彼から聞けた。

このあたりには絶滅危惧種の「タコノアシ」や、どこにでもある「ガマ」や「ハンゲショウ」などが多数繁茂しているとのこと。

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タコノアシは湿地や沼,休耕田などに生育し,以前はそう珍しいものではなかったが、開発等によりそれらの場所が減少したり,生育環境がセイタカアワダチソウと重なっていたりして、2007年8月の環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)に指定されている。

珍しい生き物としては、彼が1年に3回ほどしか見られないカワセミのツガイも1対か2対、彼が鳴き声も聞いたことが無いというフクロウも、ここにはいるとのことだった。

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 周りの山に目を転じると、赤く色付いた樹々が目立つが、「ハゼの木」で触れると肌がかぶれるウルシの仲間である。

 赤といえば、小網代の森のシンボルでもある「アカテガニ」が50万匹くらい住んでいるということで、夏に大繁殖するこのカニの調査をこの夏までやっていたとのことだった。

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彼の話を面白く聞いている間に、いつのまにか小網代湾の見える「えのきテラス」まで来た。

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 浦の川はここで小網代湾に注いでいく。

 この場で管理人の話を聞ければ、このあたりの動植物の植生が面白く聞けただろうが、もうここには彼はいなかった。

 僕の小網代の森の旅も、ここで終わりである。




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