探険家の歴史 第2部 ボルガ川の旅 序章

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 ロシア8連邦管区区分図、緑と黄色の一部がボルガ河の河川流域です。 ↑(いつものように最後に問題あり、答えてね。)




 ロシアは最近まで、ソビエト社会主義連邦共和国として、ミシシッピのアメリカ合衆国と東西に別れて冷戦世界を築いてきた。


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  初代ソ連最高指導者「レーニン」、レーニンは「レナ川の人」というペンネーム。↑


 そのソ連体制が崩壊したのが1989年、今まではソ連の参加で共和国として連邦に参加していた15の共和国は、それぞれ独立した。


 中央アジアでは、ウズベク共和国、タジク共和国、キルギス共和国、トルクメン共和国、カザフ共和国が独立。


 コーカサス地方では、グルジア共和国、アゼルバイジャン共和国、アルメニア共和国が独立。


 東ヨーロッパでは、ウクライナ共和国、ホワイトロシア共和国、モルダビア共和国。


 そして、北欧バルト海では、エストリア共和国、ラトビア共和国、リトワニア共和国が独立。


 これらの国を統括していた形のアジアとヨーロッパにまたがる大国であったロシア共和国も独立した。


 15共和国がソ連という巨大共産主義政権の支配から独立して、それぞれの道を再び歩き出したのである。


 しかし、1917年から1989年の72年間の共産党による支配は、今もこの国の文化と歴史に、良かれ悪しかれ、深い影響を残している。


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 ソ連最後の最高指導者「ゴルバチョフ」、彼の評価は今も、真二つに別れている。西欧では人気があるが、自国では祖国を売った裏切り者といわれている。 ↑


 ロシア共和国「ボルガ河の旅」は、世界一の面積を有する大国であるロシアの過去と現在と未来のみならず、ヨーロッパの歴史そのものを見つめ直し、見届ける旅としたい。


 ロシアは広大であり、この国は世界の最長大河ベスト10に、6位オビ川(5200km)、9位アムール川(4350km)、10位レナ川(4270km)を有しているが、この川はいずれもアジアに属する川である。


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  レナ川、バイカル湖を源流地として、北極海に注ぐ。レーニンの愛した川です。↑


 ヨーロッパには、ヨーロッパ第2位の河川長を誇るドナウ川(2860km)、ライン川、セーヌ川など魅力溢れる川が存在するが、ヨーロッパ最長の川ということになれば、世界第11位の河川長を有するボルガ川(3690km)ということになる。




 世界6大陸最長河川の旅は、いよいよアジアからヨーロッパに入る。





 ヴォルガ川(ロシア語:Волгаヴォールガ)は、ロシア連邦の西部を流れる、ヨーロッパ州最長の川。全長は3530km、流域面積は1,350,000 km2(以前はボルガの長さを3690kmとしていたが、ダムの建設等により長さが短くなった。)


 モスクワとサンクトペテルブルクの中間にあるヴァルダイ丘陵の海抜225mを源流とし、モスクワの北をカリーニン、ヤロスラブリと東に流れ、ニージュニイ・ノーヴゴロトでオカ川と合流する。カザンの辺りで東から南へと流れを変え、カマ川を流れに加え、ウリヤノフスク、サマーラ、サラトフ、ヴォルゴグラートを経由してアストラハンの近くの海抜マイナス28m地点でカスピ海に注ぐ。


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 ヤロスラブリを流れるボルガ河、かつてのヤロスラフ公国の首都。モスクワ運河の完成まではモスクワの河港としての重要な位置を占めていた。   ↑


 ヴォルガの流れは、悠々としていると言えば聞こえは良いが、とにかくゆっくりと流れている。


 1km進むと約7cmの自然落下があり、3530km進むと253m下るという、気の遠くなるような川である。


 以前旅したミシシッピ河の源流「アイタスカ湖」も、標高がたった450mの小さな湖で、このヴォルガとミシシッピは流れの勾配の面だけでなく、国を象徴するような歴史や文化を含有しているという意味で、非常に似たところがある。(おいおい、そんなところも見て行きたいと考えている。)


 9世紀から10世紀にかけて活躍した北欧バイキングは、バルト海からこの平坦なヨーロッパ平原を流れるボルガ河に入り、大河を行き来して、カスピ海の対岸のペルシャのバクダットまでも交易の手を広げていたという。


  
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  カスピ海沿岸部の都市、のアストラハン、かってのアストラハン汗国の都、対岸はもうペルシャです。  ↑


 ボルガ水源ヴァルダイ丘陵の近く、もう一つの水源と呼ばれているセリゲル湖の東北部ザルーチェ村の近くに、「ボルグ」と呼ばれた、船を越えさせる目的の道があった。


 わずか2kmのこの道を陸送すれば、北のバルト海からカスピ海の彼方のペルシャの地まで、水運は繋がったのだ。


 また、ボルガの諸都市には、このボルガ流域をかって支配していたタタール(ダッタンともいう、蒙古族、ジンギスカンの子孫)系の人々の多く住む都市や、彼等が建設して来た都市もある。


 勇壮なステンカ・ラージンの物語や、ロマノフ王朝の秘宝にまつわる話、ナポレオンやヒトラーとの戦争にまつわる話、そのいずれの戦いにも屈しなかったこの国の歴史を、いよいよ探検する時がきた。


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   モスクワの地下鉄、芸術的です ↑



ここで、問題です。



ロシアと言うと一番先に思い出すのは? 



1 ボルシチ(ウオッカ)


2 トルストイ・ドストエフスキーなど作家たち 


3 シベリアなど広大な大地 


4 その他 

コメント欄に書いてね、良かったらその理由もね。

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