津軽街道をゆく(2013年の旅) その49 「ねぶたの家 ワ・ラッセ」を見学

続いて、赤字Ⅱの青森市の文化観光の拠点である「ねぶたの家 ワ・ラッセ」を見学する。

ねぶたの家ワ・ラッセは、青森市の文化観光交流施設で、青森ねぶた祭りの保存伝承を主な目的とする観光施設。

祭りは毎年8月2〜7日に開催される。

奈良時代に中国から伝来した七夕祭りと、津軽伝統の精霊流しが融合して誕生したとされ、巨大なねぶた(歴史的な物語や名場面を題材に、戦国時代の武将や歌舞伎の登場人物などの姿をかたどった灯篭が乗せられた山車のこと。)が、笛や太鼓の祭り拍子と、数千年にも及ぶ跳人(はねと;ラッセラー、ラッセラーという掛け声とともに軽快に跳ねながら行進)とともに市街を練り歩く。

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入場料600円を払って館内にはいると、棟方志功がネブタについて語った言葉が展示されていたが、僕もねぶた祭りとはこういう祭りだと思った。

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タイムカプセルのようなトンネルを抜け、異空間に向かう。

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そこには、巨大なねぶたが何台も展示されていた。

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近くに寄ると、その迫力は凄いの一言に尽きる。

武者同士や怪物や妖怪たちとの戦いの場面が、これでもかこれでもかと登場する。

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このねぶた作品は知事賞を獲得した作品だが、他に運行・跳人賞も獲得している。

青森ねぶたは、もともと町内会等の運行団体で手先の器用なねぶた好きの人たちの手によって制作されていた。

仕事もそっちのけでねぶたを作る人たちを「ねぷたこへ」(こへ=こへる・拵える~作るの意味)と言った。

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ねぶたの手の部分はこのように制作されているが、なかなか高度な技術と手間がかかりそうである。

青森ねぶたの制作技術が次第に高められていくに従って、ねぶたの制作は固定化専門化していき、「ねぶた師」と呼ばれる人たちの手によって作られていく。

その中でも極めて高い技術でねぶたを制作し続け、ねぶた祭の振興に貢献してきたねぶた師は「ねぶた名人」に推奨される。

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今のところは「ねぶた名人」に推奨された方々は、初代名人北川金三郎さん(昭和33年受位)、二代名人北川啓三さん(昭和60年受位)、三代名人佐藤伝蔵さん(昭和61年受位)、四代名人鹿内一生さん(平成2年受位)、五代名人千葉作龍さん(平成24年受位)、六代名人北村隆さん2(平成24年受位)の6名。

青森ねぶた祭りを支える技術者さんたちのご苦労を思いながら、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」を後にした。

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