直江兼続の旅 その15 大地の芸術祭
バードガーデン周辺は「大地の芸術祭」の会場となっていた。
「大地の芸術祭」は世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニアである。
芸術祭の舞台は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地、新潟県の越後妻有地域(旧松代町、旧松之山町も含めた十日町市、津南町)である。
この辺は、農業を通して大地とかかわってきた「里山」の暮らしが今も豊かに残っている地域で、1年を通して自然の中に作品が展示されている。
芸術祭は2000年から3年に1度開催されており、2018年には約54万人の来場者数を記録した。
2009年の当時は、こんな作品がバードガーデンの建つ丘に建てられていた。
造られた作品を眺めながらバードガーデンから坂を降りて歩いてきて、後ろを振り返るとこんな光景が広がっていた。
作品の説明が手元にないので、何を表しているのか、何を目的にしているのか不明だが、写真中央の建造物も芸術祭の作品である。
この建造物も、送電線関連の施設にも見えるのだが、立派な作品である。
しかし、凡人にはこの建造物から芸術は全く感じない。
森の中に目立たないように造られているこの不思議な建造物は何であろうかと、興味津々で近づいてみた。
それは、雪国に伝わる天然の冷蔵庫である雪室(ゆきむろ)を造形した建造物だった。
手前のわらぶきの建物が元々の雪室のようで、右手の何だが南極探検隊の雪上ドームにも見える建造物が、芸術祭で造られたものである。
雪室は冬の間に降り積もった雪で山をつくり、藁などをつかって雪を囲って夏まで貯蔵して活用するもので、この地域では雪穴(ゆきあな)と呼んで暮らしの中に用いられてきた。
この地域では水揚げされた魚を雪と一緒に運び、料亭や旅館などでは雪穴から雪を運び出して、夏場の冷蔵庫として活用していた。
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