松前街道をゆく(2014年の旅) その61  旅の終わりはマッサンの余市

渡島半島一周の旅の最後の立寄り地は余市である。

この旅で余市に立ち寄ったのは1914年7月1日(火)のことで、余市で創業したニッカウィスキーの竹鶴政孝氏をモデルにしたNHKの朝ドラ「マッサン」が放映されるのはこの年の10月から翌年の3月までのことで、松前街道の旅に出ていた頃は、朝ドラは「花子とアン」をやっていた。

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朝ドラ「マッサン」が秋から始まることもあってか、ドラマのロケ地となる余市蒸留場は、かなり活気に溢れていた。

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スコットランドのウィスキー工場をモデルにして造られた余市の蒸留場内を、案内係によるガイド付き見学で見て回ったが、どこもかしこも写真写りのいい景色が広がっていた。

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ウィスキーは上図の順で材料となる大麦を加工していくが、現在地と書かれている蒸留塔を見学した。

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ここがウィスキー造りの最も重要な場所で、ここでは石炭を燃料として麦ジュースからウィスキー原酒を取り出すのである。

方法を言葉で示すと下記のようになる。

1 蒸留器(ポットスチル)の中に、醗酵しアルコールを含んだ麦ジュース(ほとんど

ビールのようなもの)を入れて、ぐつぐつ煮る。

2 「アルコール」や「香り成分」を蒸発させ空中に放つ。

3 それらを冷やして濃縮液(ウィスキーの原酒)を取り出す。

図示すると下図のようになるが、図の方がわかりやすいようだ。




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石炭直火焚き蒸留は強い熱が直接伝わることによってウイスキーに焦げた甘い香りが生み出されると言われるが、高火力は設備へのダメージが大きく高価なポットスチルは傷むのが早くなってしまう。

しかも石炭はコストのかかる燃料で、温度調整に熟練の技術が必要である。

燃料の主流は管理が容易で環境に優しいガスへと変わっていき、世界では余市蒸留所だけが石炭直火焚き蒸留を行っている。

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この家は創業者の竹鶴政孝と妻のリタが住んでいた家である。

後日、ドラマ「マッサン」で見た家とはかなりかけ離れたように感じた。

1時間程見学して、ニッカ会館レストラン樽で昼食とした。

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ジンギスカン定食なのだが、僕の普段食べているラム肉ではまったくなく、マッサンのウィスキーにも似た、柔らかくて甘くて上品な味で、とても美味しかった。

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昼食を終えて、午後4時前には小樽に到着した。

松前街道の旅と渡島半島一周の旅は無事終了した。

小樽で定宿となったグリーンホテル別館で夜を過ごし、翌日の1914年7月2日(水)に新潟行カーフェリーに乗り込んだ。

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フェリー上からは、神威岬と神威岩が遠望でき感激した。

旅行の総括だが、計画していたものはほとんど実行でき、上ノ国ではよしえ旅館の若旦那のガイドで期待以上の話が聞けた。

更にこの旅行中は好天に恵まれ、心配していた北海道の初渓流釣りも、イレグイと言うオマケまでもらい、まことにまことに良い旅となった。

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