近江街道をゆく その24 彦根城博物館を見学

彦根城は江戸時代初期に、彦根市金亀町にある彦根山に鎮西を担う井伊氏の拠点として置かれた平山城(標高50m)である。

山は金亀山(こんきやま)との異名を持つため、城は金亀城ともいい、多くの大老を輩出した譜代大名井伊氏14代の居城であった。
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彦根城の敷地は広く、外堀、中堀、内堀に囲まれていて、この内堀を眺めながら表門から城内に入った。
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城内ではまず、彦根城博物館に入った。

この博物館は彦根市の市政50周年を記念して1987年2月12日に開館した博物館で、開設に伴って井伊美術館は1986年11月30日に閉館し、収蔵品はそのまま彦根市に寄贈され、約2万点の井伊家に伝わっていた美術品や歴史資料などはこの博物館で展示されている。
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博物館の敷地は江戸時代の彦根藩の政庁で明治時代に取り壊された彦根城の表御殿跡であり、建物は事業費約27億円を投じて当地に在った彦根城の表御殿を古絵図などから復元したもので、表御殿時代そのままに遺構が復旧保存されている。
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 ここは、藩主が用いた天光室と呼ばれた茶室である。
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この庭園は池を中心とした池泉庭園という構造で、「御座之御間」という藩主の居間からの眺めを中心に設計されていて、庭には散策路が設けられている。
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ここは、御客座敷と呼ばれた部屋である。

復元された表御殿をざっと歩いて、展示室で開催されていた特別展の「コレクター大名井伊直亮-知られざる大コレクションの全貌-」を見ることにした。
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井伊 直亮(いい なおあき)は近江彦根藩の第14代藩主(15代藩主、12代当主という数え方もある)で、江戸幕府の大老を勤めており、同じく大老となった井伊直弼の兄であり養父でもあった。

 彼は藩主を38年も務めたが、彼を有名にしているのは彼の膨大なコレクションである。
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雅楽器の収集で知られている直亮だが、その収集対象は刀剣や甲冑、文房具、彦根更紗、博物関連資料、南蛮渡来品と幅広く、今回はそれらのコレクション合計136点が展示されていた。

雅楽器は小さな物は篳篥(ひちりき)から始まり、笙、琵琶、箏、大きな物は太鼓・羯鼓・鉦鼓の三点セットに至るまで収集されていて、どれも装飾の蒔絵が非常に細かく施されていた。

彦根藩には魅力的な藩主が沢山いたようだ。


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