台湾紀行その23 高雄市内の土産物店で北投石を買う
高雄トンマオホテルを出て、高雄市内の土産物店に向かった。
昨日は見学箇所が多くて買い物どころではなかったが、今日は台湾東海岸の花蓮目指して400km程の距離をバスで移動するのが主な日程。
大移動の前に、市内の宏宜藝品公司での買い物が今日最初の日程となった。
昨日は見学箇所が多くて買い物どころではなかったが、今日は台湾東海岸の花蓮目指して400km程の距離をバスで移動するのが主な日程。
大移動の前に、市内の宏宜藝品公司での買い物が今日最初の日程となった。
ツアーバスから降り店内に入ると、すぐに僕らは階段を降り、そのまま地下の売り場に案内された。
この店最大の売り物は「北投石」、ツアーガイドの王さんも北投石信者らしく、自分の妹の病弱な娘がこの石の効用で、健康な身体になったことを、バスの中で説得力のある話術で10分以上話していた。
ここの店員の説明では、北投石はマイナスイオンが出て非常に健康に良いのだという。この店の店員は全員北投石信者らしく、一人でいくつもの北投石を身につけている店員ばかりだった。
ここの店員は従業員教育がしっかりされているらしくて、それぞれ日本語も堪能で、マイナスイオンの測定器と電卓で、僕ら日本人ツアー客の財布から出来るだけ絞り出そうと、しつこいくらいに食らいついてくる。
初めから買う気満々の、居並ぶ金有る属の叔父さん叔母さんさんは、5万〜10万くらいの豪華な北投石のブレスレットを、いともあっさり簡単に買っていき、そのまま首に付ける女性客も数人はいた。
冷やかしでこの買い物に参加した僕だが、マイナスイオンの測定器で実験材料のような石達を操る台湾美人の誘いに、結局根負けして、650元の携帯用の北投石入りストラップを買う羽目になってしまった。
1元が3.3円くらいなので、2000円位の買い物である。
ここで少々、稀少石である北投石の紹介をする。
北投石は台北の北投温泉で発見された鉱物で、学術的には独立種とはいえず「含鉛重晶石」と呼ばれ、重晶石(バライト)の亜種として扱われている。
世界でも台湾台北州七星郡北投街(現在の台北市北投区)の北投温泉と日本秋田県の玉川温泉からしか産出しない。
明治38年(1905年)に地質学者岡本要八郎が北投温泉の瀧乃湯という公衆浴場で入浴した帰りに付近の川で発見、大正2年(1913年)に東京帝大の鉱物学者神保小虎によって命名され、昭和8年(1933年)に台湾総督府によって天然記念物に指定された。
その後、この鉱物は、ラジウム等を含み放射性を持つ北投温泉独特の鉱物(後に玉川温泉で産出する物も同じ物であると認定された)であるとされた。
北投石の組成は(Ba,Pb)SO4で、およそBa:Pb=4:1の割合で含まれていて、放射性のラジウムを大量に含む温泉沈殿物重晶石(硫酸バリウム)である。
台湾と同じく「玉川温泉の北投石」も特別天然記念物に指定されていて、現在は採取が禁止されている。
「健康によい」さらには「末期癌をも治す効果がある」などとしばしばマスメディア等で取り上げられることから盗掘は後を絶たないという。
身体に良い宝石の話となった。
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