台湾紀行その24 台湾東海岸にて 王ガイドの話 その1

 高雄を出ると台湾島をさらに南東に下っていく。
大きな黄色の丸に囲まれた地域が台湾最南端の恒春台湾映画『海角七号(かいかくななごう)君想う、国境の南』の舞台の地である。

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 ここで、日がな一日ロケ地回りをしたりするのも楽しいのだが、今日の旅は残念ながらほぼ一日バスに乗ってるだけの旅で、空色のコースを途中下車もせずに進んでいくだけ。

 小さな黄色の丸司馬遼太郎の台湾紀行の舞台の一つである知本で、台東の有名な温泉地。
ここで司馬遼太郎のように台湾原住民のことを思いながら持参した小説を読むという優雅な時間も今回の旅はナシである。

 赤星印の場所台東市で、ここで昼食となる。


バスの中では、王ガイドが昨日の夕方高雄で商売やさんが撮影した写真を僕らに見せ、良かったら買ってくれと早速商売人に変身。

 旅の思い出写真ということで、夫婦参加者も個人参加者もほぼ1セット2000円の記念写真を購入していた。
それから、今日と明日行われるオプショナルツアーの金を集め始めた。


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 今日の夕方の花蓮でのアミ族ショー
3,500円、明日の夜の台北101と夜市が4,000円である。

 アミ族ショーのほうは全員が参加ということになったが、明日のオプショナルは終了が午後10時過ぎという計画のため、年配者夫婦の2〜3組は欠席。

 旅行のたびに思うことだが、旅行ガイドは大変な重労働である。
金集めが終了すると、休む間もなくすぐにバスガイドとなって、台湾のことや台湾人について王ガイドは話し始めた。


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 車窓の風景はまだ台湾海峡を向いている西海岸で、ヤシの木がこのあたりの風景の王様であり、他の樹木の影は非常に薄い。

 以下、王ガイドの話である。
大学では日本語学科を卒業、卒業後すぐにガイドとなった。
 台湾ではガイドは恵まれた仕事で、子どもの頃は刺身などは食べたことが無く、ガイドとして添乗員の仕事をしてから初めて食べたとのこと。
 自分は結婚しているが子どもが無く、彼女の教員をしている妹には中学3年生の女の子どもがいて、その子の話題を雑談の中で、王ガイドは好んで話の引き合いで話していた。
 添乗で初めて東京へ行った時は本当に嬉しくて、この仕事をしていて良かったと心から思ったという。

 彼女はプライドがかなり強く、ガイドとしての自分の仕事に対してかなりの自信家でもあり、僕らお客に対しても学校の先生のように、いい意味でも悪い意味でも、いわゆる「教える・指導する」という姿勢を崩さなかった。
 僕らは彼女の乗り込んでいるバスの中では彼女の生徒でしかなく、彼女に完璧なまでにコントロールされていた。


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 そのおかげで大したトラブルも起こらなかったが、欲を言えば面白みに欠けたところがあった旅となった。(ただインテリガイドなので、相対的に知的満足度は高くなった。)
 地震も台風もなく、晴天でもなく、晴れてはいるが雲は空にたっぷりとかかっていた。そんな彼女のガイドする台湾旅行であり、僕等もしっかりそのやり方に追随しての安心・安全優先の旅となった。(そういう意味で、彼女には感謝である。)

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