砂鉄と銀と神話の道(2017年の旅) その37 荒神谷遺跡の概要

ボランティアガイドの原一征さんの話は続く。
「この荒神谷に埋納された青銅器はいったい何なのか、何に使われたのか」ということであるが、原さんは、「これらの青銅器は農耕祭祀に使われたもので、この荒神谷は農耕祭祀の執り行われた場所だと考えている」と話を進めていく。
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「ここには青銅器に対応した集落が存在して、青銅器はそれらの集落の御神体として、集落の成員達(弥生人たち)の信仰の対象になっていた」と話を続ける。
単なる祭祀の道具ではなく、これらの青銅器は信仰の対象になっていたのである。
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下の銅矛や銅鐸は拠点集落用、上の銅剣は周辺集落用として使われていたようである。
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「これからそこにいくが、青銅器が埋納された場所は谷のようになっていて、結論から言うと(女性のシンボル)のような場所に青銅器は埋納されていた。またそこから反対の方角を見ると神奈備山(かんなびやま)があるが、神奈備山は蛇がとぐろを巻いているような形を山に見立てたもので、この山は民俗学的には蛇信仰の山バージョンの山」と説明された。

更に個人的な見解の領域まで発展して、「ただ円錐形の代表的な山である奈良県の三輪山のような山は蛇信仰の山バージョンの山に該当するが、神奈備山の場合はむしろ縄文時代から続く石棒(男性のシンボル)信仰に由来すると考えた方が自然だ」と断定された。
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「女性のシンボル」や「男性のシンボル」に見立てられる極めて神秘的な場所で農耕祭祀が執り行われ、そういう場所に祭祀に使用された青銅器が埋納されていたのである。
ここで、後日ネットで調べたものを追加掲載する。
「かんなび」とは、「神の隠れこもれるという意味で、「かんなび山」は信仰の対象として古代人に祭られていた山のことを指し、出雲国風土記には「神名火山」、「神名備野」、「神名樋」と書かれている。
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出雲には四つの神奈備山があり、ここの神奈備山は「仏経山」という名で、荒神谷遺跡の西約2.5キロの場所にそびえる標高366mの山である。

一通りの説明の後、原さんは僕を含めて3名いる遺跡見学者を引き連れて、荒神谷遺跡までの道を歩き始めた。


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