新神戸ものがたり その8 「山手八番館」、「北野外国人倶楽部」、「旧中国領事館」
「うろこの家」と「うろこ美術館」を見終えて次に向かった。
黄線のように歩いて、まず「山手八番館」、それから「北野外国人倶楽部」、「旧中国領事館」の順番で異人館を見て回った。
ここが「山手八番館」の入口である。
入口では天燈鬼と龍燈鬼の一組の鬼が出迎えてくれるが、写真に写っている鬼は天燈鬼、 この二人の鬼は善鬼で煩悩に迷える人々を導く燈火を守ってくれている。
山手八番館(旧サンセン邸・明治後期築)はサンセン氏の自宅として建設された洋館で、館内には彫刻の三大巨匠のロダン、ブールデル、ベルナールの傑作、さらに希少なルノアール晩年のブロンズ像が展示されている。
2階には日本の仏像の原点となったガンダーラの2世紀の頃の仏陀坐像やレリーフ、黄金に煌くタイの仏像など仏教美術上貴重な作品の数々、原始彫刻など圧倒的な数量を誇って展示している。
ドン・キホーテとサンチョ・パンザの像も展示してあった。
ピカソら現在のキュビズムに多大な影響を与えたと言われている東アフリカ・マコンデ彫刻の数々、壁面にはレンブラント、デューラー、近代を代表する画家たちの版画、イギリスの風刺画家ホガースの ドラマ仕立ての連作版画等もあったが、さっと見て「山手八番館」を出た。
「山手八番館」の次は「北野外国人倶楽部」である。
「北野外国人倶楽部(旧フリューガ邸)」は明治後期建築の木造2階建て切妻屋根で、2階部分の外壁は、木の柱を外部にあらわしたハーフティンバー風の外観である。
入口にライオンの石像があることから「ライオンハウス3号館」と呼ばれていた。
広い敷地に建てられた邸宅には、主人用と使用人用に区別されたと思われる2つの階段が設けられている。
ダイニングには重厚な家具調度品や17世紀フランス貴族の館にあった木製暖炉が配置されていて、当時の華やかな暮らしを再現している。
煌びやかなベッドルームに置かれた豪華なベッドも良かった。
「北野外国人倶楽部」の次は「旧中国領事館」である。
「旧中国領事館」は、中国の政治家である王兆銘(883~1944年)が1940年、南京に親日政府を樹立したときに中国領事館として神戸に建てたものである。
ここは家具調度品、置物、美術品などが中国製で統一され、なかでも美術品は西周時代の古文化財から現代の水墨画まで及んでいたが、残念ながら写真記録として残ってないので、次の異人館に向かった。
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