砂鉄と銀と神話の道(2017年の旅) その51 寺本ガイドとの別れ
ここは元湯温泉である。
室町時代末期に毛利家から湯主に任じられて以来、ずっと温泉津の街でこの温泉を営んでいるという。
「熱い湯」「ぬるい湯」「座り湯」の3つの浴槽があり、お湯は46~48℃という。
約1300年前に、湯に浸かって傷口を治しているタヌキを旅僧が見つけたのがはじまりと言われていて、その由縁で湯治の湯と書かれた下にタヌキの彫り物が置かれている。
向かいの薬師湯については午前中に入ったので省略する。
街の中で珍しいものを見せていただいた。
瀬戸物の茶碗や食器などを使って野球をしている人形などを作って家の中に展示しているのである。
展示期間が過ぎてちょうど解体作業の途中であったが、まだ原型を留めているものもあったので、しっかり作品を見せていただいた。
その人形の解体作業をされていた方のお寺が、この浄土真宗本願寺派の恵光寺で、このお寺ではコーラス隊や俳画の会や短歌会なども組織していて、いろいろと社会教育に一生懸命である。
ここは、「温泉津温泉夜神楽」として石見神楽を毎週土曜日の夜に公演している龍御前神社である。
石見神楽見学ができるよう計画することも可能だったのだが、残念ながら今回は見ることは出来なかった。
その代わりこの神社の裏山の、この地で神として崇拝されていたに違いない龍のカタチをした大岩をじっくり拝観した。
寺本ガイドにはこの他にもいろいろと案内してもらったが、書ききれないのでそれらのことは省略する。
ここの眼下には、寺本ガイドが最後に案内してくれたまるで鼻の形のような鼻ぐり岩があるが、この場所には他にも可愛い鼻ぐり岩があった。
鼻ぐり岩から目を上げるとそこには温泉津港が広がっていて、その先には朝鮮半島や大陸があるんだなと、漠然と考えた。
寺本ガイドとはこの場所で別れた。
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