阿武隈川(2007年)とおくのほそ道の旅 プロローグ
平成19年の源流釣行の旅は最上川を終え、残りは阿武隈川となった。
日本の最長10河川の旅は既に完結しているが、ブログ化していない川がまだ一つ残っている。
その川が、平成19年に旅した阿武隈川である。
先回ブログ化した最上川の中で紹介した、「旅した川の年度別記録と川のブログの中での性格」を一覧表にまとめたものを、ここで再登場させる。
黒字部分の川は全てブログ化し、残りは赤字で記載している「温泉の川 阿武隈川」である。
阿武隈川では松尾芭蕉の「おくのほそ道の旅」と僕が現役時代にメンバーとして楽しく過ごした「温泉同好会」のことなどに触れながら、阿武隈川の旅を進めて行く。
阿武隈川は僕が旅した平成19年は、たぶんどこにでもある普通の川として存在していたはずだ。
ただ、東日本大震災が平成23年(2011年)3月11日(金)に発生し、それに伴って発生した津波により福島第一原子力発電所事故が起こってしまった。
それ以後は国民の誰もが熟知している原発被災地としての時間が、阿武隈川の日常的な流れとなる。
僕はこの川のことを今まで意識して見ないようにして来たし、そうすることの結果として、阿武隈川の現状というものをまったく知らないで過ごしていた。
日本国民として、こういう態度を取り続けているということは、やはり国民として恥ずかしい態度であり、阿武隈川の旅を始めるにあたって、福島県で起こった日本の歴史が経験したことのない、避けては通れない原発事故にも触れていきたいと考えている。
その前に、阿武隈川に関する基礎的な知識を共有したい。
阿武隈川は、川の上流域から中流域は福島県を流れ下り、下流域から河口部は宮城県を流れ下る。
流路延長は239kmで流域面積は5390km²、東北では北上川に次ぐ長さの川であり、古くは大隈川とも呼ばれた。
もう少し詳細に説明すると、福島県西白河郡西郷村の旭岳を源流とし、東流して白河市に入り西白河郡中島村付近で北に流れを変えると、須賀川市・郡山市・福島市と福島県中通りを縦貫して北に流れていく。
福島県と宮城県の境界付近では阿武隈山地の渓谷を抜け、宮城県伊具郡丸森町で角田盆地に入り角田市を流れて仙台平野に出る。
そして岩沼市と亘理町の境で太平洋に注ぐのだが、古代の旧河口は現在の「鳥の海」だった。
基礎的な知識の共有はこの程度にして、さっそく「阿武隈川とおくのほそ道」の旅に出発する。
「阿武隈川とおくのほそ道の旅」の結果はこうなった。
この結果を基にして、既に曖昧となっている8年前の記憶をたどりながら、これから再び旅に出る。
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