長州路(2019年の旅) その65 毛利家墓所と枕流亭
瑠璃光寺五重塔のある香山公園には、瑠璃光寺五重塔の他に毛利家墓所、枕流亭、露山堂、洞春寺などの文化遺産が残されている。
このうち、最初に毛利家墓所に行った。
この墓所は、毛利氏13代当主敬親と妙子夫人、最後の藩主となる次代14代元徳と安子夫人、さらにその子の元昭と美佐子夫人が眠っている場所である。
墓の配置並びに墓碑銘は上図のようになっている。
なお、墓所前に広がる石畳はうぐいす張りの石畳としても有名で、足を踏みならしたり、手を打ったりすると、独特な音の反響を体感できるというので、実際に手を打ってみるといい響きの音が返ってきた。
次に、枕流亭に行った。
山口の豪商安部家の屋敷は、藩主毛利氏の参勤交代時における山口の本陣として使用され、その一角に離れとして存在したのが枕流亭である。
幕末の倒幕に向けた動きが進む中で、薩摩藩の西郷隆盛、大久保利通、小松帯刀らが山口を訪れてこの枕流亭に宿泊し、長州藩の木戸孝允、伊藤博文、広沢真臣らと薩長の連携に向けて密談を重ねた。
枕流亭の建物は、1960年に現在地の香山公園内へ移築された。
内部には無料で入館でき、1階部分には西郷、大久保、木戸、伊藤ら関係人物や建物についてなどの紹介パネルが展示されている。
ここは維新の志士たちの密談の場となった2階で、ここにいるとは当時の緊迫した雰囲気が伝わって来るようだった。
この2階からは、先ほどまでいた瑠璃光寺五重塔が実に良く見えた。
枕流亭の建物は1960年に現在地の香山公園内へ移築されたので、維新の志士達がこの2階から見た風景は別の風景で、緊迫した時代の中で彼らは2階からの風景も楽しむ余裕がなかったことだろうと思うと、平和な時代のこの風景がなおの事、心に焼き付いた。
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