「オホーツク街道」の旅 その3 『史記』(しき)を解体する!!
『史記』(しき)は、中国前漢の武帝の時代に司馬遷によって編纂された紀伝体で綴られた中国の歴史書である。
正史の第一に数えられる。二十四史のひとつ。
計52万6千5百字。著者自身が名付けた書名は『太史公書』(たいしこうしょ)であるが、後世に『史記』と呼ばれるようになるとこれが一般的な書名とされるようになった。
「本紀」12巻、「表」10巻、「書」8巻、「世家」30巻、「列伝」70巻から成る紀伝体の歴史書で、叙述範囲は伝説上の五帝の一人黄帝から前漢の武帝までである。

紀伝体記述の仕方は、中国の歴史書、わけても正史記述の雛形となっている。
著述体型は下記のようになっている。
「本紀」(ほんぎ)
皇帝や王などの支配者に関した出来事を年毎に記述する。『史記』の「高祖本紀」「秦始皇本紀」「項羽本紀」など。
世家(せいか)
諸侯に関する記述。「趙世家」「魏世家」「孔子世家」「陳勝呉広世家」など。
列伝(れつでん)
個々の人物、特に国に仕えた官僚の一生を記したもの。また周辺の異民族の風習などを書き並べたものもこう呼んだ。
志(し)
天文・地理・礼楽・制度など
表(ひょう)
各種の年表や月表。
載記(さいき)
各地に割拠した自立諸勢力の記述。
修史詔(しゅうししょう)
その歴史書が奉勅公撰であることを公示すために、編纂を命じた詔勅の写しを付録したもの(『晋書』)。
四夷(しい)
列伝から異民族出身の人物に関する記述を独立させたもの(『晋書』)。
国語解(こくごかい)
異民族王朝の場合、彼らに固有の民族語が頻出するため、特にその解説を添えたもの(『遼史』『金史』)。
司馬遼太郎が、紀伝体で書かれている史記の列伝(れつでん)の形式を真似て小説を書いていた作家ということが、おぼろげながらわかってきた。
司馬遼太郎の小説が、個々の人物、特に国(天皇・将軍も含む)に仕えた官僚や武士などの一生を記したものが多い理由もわかった。
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