九州散歩Ⅰ その11 昼食は長浜ラーメン
昼飯時となったので、博多駅の中にある「博多ディトス」で長浜ラーメンを食べることにした。
長浜ラーメンは福岡の名物である長浜ラーメンである。
福岡には博多ラーメンがあり、長浜ラーメンとは明確に違うので、ここで違いを押さえておく。
博多ラーメンは白濁した豚骨スープに極細のストレート麺を合わせた豚骨ラーメンで、全国各地にあるご当地ラーメンの中で札幌味噌ラーメン、喜多方ラーメンと共に日本三大ラーメンに数えられ、知名度や人気が高いラーメンである。
大盛ではなく麺をお代わりする替玉や、バリカタなど麺の固さを指定出来るなど、その提供スタイルも個性的である。
博多ラーメンはもともとただラーメンと呼ばれていたが、福岡市早良区西新の「博多ラーメンしばらく」の2代目女将の外村留美が1977年(昭和52年)に博多ラーメンという名称を考案したのが始まりで、そのあと福岡市の豚骨ラーメン店は博多ラーメンと名乗るラーメン店が徐々に増え、現在の呼び方に変わっていき日本全国に広がったのである。
一方、魚市場で働く人のために生まれたのが長浜ラーメンで、白濁した豚骨スープに細麺という組み合わせは博多ラーメンと同じである。
長浜ラーメンは博多漁港に面する長浜で生まれ、1952(昭和27年)に開業した屋台「元祖長浜屋」がその発祥と言われている。
創業当初は中洲などの町中に出店していたが売れず、当時大浜にあった魚市場前で営業するようになると、魚市場で働く人たちの支持を受けて盛況となり、1955(昭和30)年に市場が長浜に移転したことにより、長浜に多くの屋台が軒を連ねるようになった。
競りなどで忙しく時間がない魚市場の人たちのために、素早く提供出来るように麺を細麺にして茹で時間を短縮した。
細麺は伸びやすいため、麺の量は少なくしてお替わりが出来る替玉を考案するなど、元祖長浜屋から始まり長浜ラーメンや博多ラーメンのベーシックなスタイルになっていたものは少なくない。
博多ラーメンと長浜ラーメンのおおよその違いがわかったところで、博多駅筑紫口傍のデイトス2階にある「博多めん街道」に入っていく。
この「博多めん街道」には、12軒もの店が軒を連ねている。
これらの店の中で、「長浜ナンバーワン」を選んだ。
「長浜ナンバーワン」は創業昭和46年の歴史を紡ぐ伝統の味を守り続け、店舗内で丁寧に仕込む豚骨スープが自慢の長浜ラーメンの老舗で、数ある長浜ラーメンの店舗の中でも王道と言える長浜ラーメンが食べられるという評判の店で、ここでは長浜ラーメンを頼んだ。
シンプルイズベストを貫く長浜らーめんのスタイルはチャーシューとネギのみで、博多ラーメンと比べてスープが濃厚なのが長浜ラーメンの特徴とかで、細麺にしっかりと絡む豚骨ベースのスープは、一度食べたらやみつきになるという評判通りの美味しさだった。
600円を払って、大満足で「長浜ナンバーワン」を出た。
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