日本のハレの日のご馳走「寿司」の話
日本のハレの日のご馳走の代表である寿司は、酢飯と主に魚介類を組み合わせた日本料理である。
大きく分けると、生鮮魚介を用いた①「早鮨(早ずし)」と、魚介類を飯と塩で乳酸発酵させた②「なれ鮨(なれずし)」に区分される。
① 「早鮨(早ずし)」には
握り寿司
小さな寿司飯の塊に具を載せてにぎったものである。飯と具の間にわさびをいれる。
巻き寿司
具と酢飯を海苔で細長く巻いた寿司。
稲荷寿司
袋状に開いた油揚げを煮付け、中に酢飯を詰める。(酢飯にニンジンや椎茸、ゴマなどを混ぜ込んで詰める場合もある。)
ちらし寿司
生魚や玉子焼き(刺身や握り寿司の種)などを、酢飯の上にちらして飾り載せしたもの。
五目寿司・ばら寿司
祭礼などハレの日の手作り料理として供されることが多い。細かく切った魚介類、野菜などの具を酢飯に混ぜ混み、彩りにしょうが、錦糸玉子を飾る。
② なれ鮨(なれずし)」は
魚に塩と飯を混ぜて長期間保存し乳酸菌の作用によって発酵させたもの。
一般に飯の原形が残っていないことが多い。
滋賀県の鮒寿司、和歌山県の鮎の熟寿司(鮎鮨)、秋田県のハタハタ寿司など。
地方の寿司
伊達巻寿司
千葉県銚子市および大阪府などの郷土料理。
伊達巻の中に高野豆腐、 椎茸、おぼろ、かんぴょうなどとともに酢飯を巻き込んだ寿司だが、具や飯の分量は地方によって異なる。
島寿司
東京都の伊豆諸島及び小笠原諸島の郷土料理。
具材として島で捕れる魚を醤油漬にして使う。島で手に入りにくいわさびの代わりに唐辛子や洋がらしを使うなど、島の気候や食糧事情に合わせた製法で作られている。
柿の葉寿司
柿の葉で巻いた寿司で、奈良県・和歌山県、石川県の郷土料理。
めはり寿司
同じく奈良県・和歌山県(および三重県の熊野地方)の郷土料理。
鯖の寿司と違い、酢飯(又は白米)をそのまま高菜の浅漬けの葉で巻き、おにぎりのように持ち運び用に適したものにした寿司。
鯖寿司
若狭地方・京都や大阪・山陰地方、岡山県新見市の郷土料理。
新見市では「金棒寿司」「鯖包み」などとも呼ばれる。
長方形に固めた酢飯の上に塩鯖の半身をのせ、出汁昆布で全体をくるみ、巻き簾で形を整えた後、竹皮で包んだ物である。バッテラとは異なり、型に入れる作業がない。
大阪寿司
江戸前寿司(にぎり寿司・早ずし)に対して、押しずしを指す。
近畿の郷土寿司となっている場合が多い。
大阪寿司は箱寿司(押し寿司)、酢締めの押し寿司バッテラを表していたが、その後には、ばら寿司(五目寿司)、巻き寿司等も含まれるようになり、にぎり寿司以外を指す言葉となっていった。
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