先住民族と少数民族の微妙な違い
先住民族
言葉通りに解釈すれば、近代国家が成立する以前に、先にその土地にすんでいた民族ということになるが、内在する意味は、いかなる自由な意思や合意の確認もなく、その国家に強制的に編入されてしまった人々ということになるか。
例 アイヌ、ウィルタ(オロッコ)、ニヴフ(ギリヤーク)、エスキモー(イヌイット、ユピク、カラーリット)、インディアン・インディオ、ブラジルの先住民、アボリジニ(オーストラリア先住民)、マオリ、アンダマン諸島先住民、パプア人、カナカ族、台湾原住民、チャモロ人、バスク人、クルド人、ベルベル人、バタク族、マサイ、コイコイ人、サン人
少数民族
その国に住んでいる少数派の民族で、先に住んでいたか否かは問われない。
「少数民族」は、みずからの自由な意思や合意で、独立した地位や民族自決権を放棄してその国家に統合された人々ということになるが、実際には自由な意思や合意ではなく複雑な経緯でその国家に統一された人々も多々いる。
例 中国(55の少数民族)、マレーシア(ビダユ族、カダザン族、オラン・アスリ族)、スペイン(カタルーニャ人、ガリシア人、アンダルシア人)、フランス(コルシカ人、ブルトン人)、イギリス(ウェールズ人、スコットランド人、アイルランド人)、ヨーロッパ【ジプシー、チャーンゴー(マジャール系少数民族)、ラップ人】、アメリカ【マウイ族(ハワイ島)、アーミッシュ、プエルトリカン】
ここでは意識して、先住民族について取り上げて行きたい。
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