2018年 幻の40cmオーバーを撮り損ねた その3
結局この釣行で、「アマゴ半スレヒネリ8号」8本を全て無くしてしまった。

沢を覆っているこれらの枝に引っかかったり、沢の底のそこら中に散在している朽ちた木や枝に引っかけたりしてである。
沢の中にも朽ちた枝が沢山ころがっている。

しかし、これらの朽ちた木や枝は釣り人から見れば厄介な障害物だが、岩魚君たちの目から見れば、釣り人や外敵から自分の生命を守ってくれる貴重な存在なのである。
ナースウッドとは、大木になれずに朽ち果てる木の事で、 その木でキノコは息吹き、虫などの棲みかとなり、更には分解されて他の植物の栄養となる。
このA沢の場合は、岩魚君たちの生命を守ってくれる格好の住みかとなっているのである。
自然の仕組みの絶妙さに感嘆しながら釣行を終えて、関川村の「天然温泉ユーム」に向かった。

風呂の前に、いつもの店で100円の串こんにゃくを食べたが、去年まで僕の相手をしてくれたおじいさんは、今日も店には居なかった。

風呂の入り口のガラス戸に「入れ墨ものお断り」と書いてあったが、入れ墨をしているかどうかは受付ではわからない。

脱衣所で素早く衣類を脱いで、身体を洗って露天風呂に入ったら、そこには入れ墨を背中にしっかり決めたお兄さんが二人入浴中だった。
やはり入れ墨ものは怖いので、気づかないようなフリをして、素早く露天風呂から上がって、室内の大浴場で岩魚釣りで消耗した身体を休め風呂を出た。

今日の昼食だが、帰路の途中にあるそばや「岩蔵」にした。
親子丼の「のぼり旗 」があんまり美味しそうだったので、店に入る前からこれに決めていた。

親子丼は予想以上に絶品で、店の奥さんが漬けたという野沢菜や自家製の卵焼きも美味しかった。
今日もいつも通りに楽しく釣行できたが、光兎神社の御利益がしっかり利いていたような1日となった。

この店の暖簾(のれん)にも兎が使われていたが、この兎が優しく微笑んでくれた。
あの大岩魚を撮り損ねたことで、あの大岩魚はいつまでも僕の記憶の中に残ることとなった。
あの淵も気が向いた時にまたのぞいてみよう、今度はきっと大岩魚を撮ってやると心に決めた。
参考資料
内山節講演「日本の希望」
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