「オホーツク街道」の旅 その25  「オホーツクの物語」が学べるオホーツクミュージアムえさし

 目梨泊から枝幸町に戻り、オホーツクミュージアムえさを目指す。

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 宿泊先の大崎旅館が地図真ん中右手に記載されている梅ケ枝町、目指すオホーツクミュージアムえさしは地図の真ん中左手にある。

 ここでは町内の遺跡から発掘された住居跡や出土品を基に、復元したオホーツク期の原寸大の竪穴式住居を中心に、オホーツク海と流氷、オホーツクに生きる動物たち、オホーツクとともに歩む枝幸町の歴史など、オホーツク海と枝幸町に関する様々な資料を展示している。

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 外観はこんな感じで、モダンで立派な建物。早速中に入ってみる。

 「オホーツク文化」は本州の古墳時代から平安時代に、サハリンから北海道のオホーツク海沿岸、千島列島にかけて分布した海洋狩猟民の文化。

 オホーツク人は続縄文文化の終わりに宗谷海峡の周辺にいた人々がサハリン北部から来たグループと出会ったことで生まれた集団で、オホーツク海の沿岸を巡るように広がっていった。
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 その遺跡からは海獣を狩るための骨角器や、繊細な文様を施した土器、黒曜石で作られた石器類、鉄製の武器(蕨手刀)、青銅製の装飾品など様々な遺物が出土して、ここに展示されている。

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 やはり圧巻は、復元したオホーツク期の原寸大の竪穴式住居で、長さ9m×高さ4.5mという巨大な空間は、見るものを圧倒する。

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 内部に再現された「クマ送り儀礼」の際に使われた沢山の熊の頭骨には、このオホーツク文化がアイヌ文化へ引き継がれたことが実感として理解できる展示となっていた。

 その他、館内には子どもを対象とした多目的学習スペース「子どもミュージアム」を併設していて、古代人の服を着たり、土器のパズルを組み立てたりと様々な体験を通して郷土の歴史を学習することができるしくみになっている。

 また、ここのホームページ掲載の「オホーツクの物語」は大変よく出来ていて楽しくオホーツク人の暮らしが学べる。

 オホーツクミュージアムえさしの完成を待たずに、この町の考古学の発展にすべてを捧げた佐藤隆広氏は逝ってしまったが、彼の残した情熱はこの施設の随所に眠っている。

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