平安時代日記その7 平安の妖怪、かぐや姫の謎

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 平安時代の初期、古くからの伝承をまとめて、一つの美しい物語が完成した。


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 その、かぐや姫を主人公とする美しい物語の名前は、竹取ものがたりという。 



 大和王朝がその覇権を伸ばしていた頃、葛城王朝(今の奈良県広陵町あたりにあった。)に迦具夜比売という、かがやくばかりに美しいという意味の名を持つ姫がいたが、大和王に嫁ぐのを嫌い、自ら命を絶ったという。


 かぐや姫のモデルは、この葛城王朝の迦具夜比売である。 


 竹取物語はこのかぐや姫伝説を中心に考えられた物語で、出来れば、月光などというクラシック音楽を流しながら味わうとより楽しめる、日本の伝承文学の最高傑作である。

  単純でわかりやすいストーリー展開で、竹林や月など物語の背景の景色はどことなく京風で、日本的な情緒が感じられる。


  朝廷の后妃を取り巻く貴族社会から生み出された物語が「源氏物語」とすれば、「竹取物語」は貴族社会の底辺で生活する一般庶民階層が生み出した、人々の夢を託した物語である。

  平安時代は貴族の時代である。貴族とはその字のとおり、まれ人なのである。

  めったにいないから貴族という。

  天皇と天皇を取り巻く貴族集団内部で、平安時代の政治は行われていた。そのまれ人以外の一般の人々は、この竹取の翁のような貧しい生活をしていた。


 竹取の翁はある日、竹薮に入ると光る竹に気づいた。その竹を切ると、中から光に包まれた女の赤ん坊が現れた。

 かぐや姫と名づけられたこの赤ん坊は見る間に大きくなり、わずか3ヶ月程のあいだに、他と比較することが不可能な程、それは美しい女性に成長した。

 貧しかった翁だが、かぐや姫を得たときに竹の中から黄金も手に入れ、その後も竹を切る度に黄金が現れる怪現象が続き、あっという間に大金持ちになった。

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 普通の竹取が、この時から経済的に貴族になった。

 美しい娘まで授かり、翁の幸せは絶頂になった。


 竹取物語は、貴族社会の底辺で生活する一般庶民階層の夢を乗せた物語なのだ。



 竹取の翁のところの娘の美しさは、すぐに都中の評判になり、かぐや姫への求婚合戦が都の有力貴族の間で行なわれた。

 しかし、いくら美しくても、彼女はやはり妖怪である。

 竹から生まれ、3ヶ月にして成人するということになると、犬や猫より成長が早いことになる。

 親は竹だから植物だ。


 かぐや姫はここまでは、妖怪であると、僕は考えている。



 妖怪かもしれないのに、その光り輝く美しさだけに魅了されて、日参する都の貴族たちをまるであざ笑うように、かぐや姫は無理難題をそれぞれに突きつけ、貴族たちは彼女の望むものを手に入れようとするが、結局得ることが出来ず、あるいは偽物とわかられ、サンザンにカラカワレルのである。

 この愚かな貴族5人の名は、石作皇子・車持皇子・右大臣阿倍御主人・大納言大伴御行・中納言石上麻呂足で、この方々にもそれぞれモデルがおり、壬申の乱に関係した人物達だったという説が有力である


 かぐや姫はまれ人だけでなく、直接天皇からも求婚される。しかし、彼女は天皇以下いずれとも結婚せず、中秋の満月の夜に、月へ帰るのである。


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 彼女は月の世界の人間だったのだ。つまり、かぐや姫は宇宙人ですよ。



 平安時代の人々は、妖怪に飽き足らず、宇宙人を物語の中に登場させたのだ。


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 最も、美しい月夜の晩に、その秘密が明らかになるというストーリーで。


 さて、ここからが問題だ。


第7問 

もし、あなたが「かぐや姫」に似た宇宙人と知り合ったら、あなたは、真っ先にどうしたいですか?

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