石狩川への旅 その6「海猫屋」にて

 小樽は食べ物の美味しい街でもある。特に寿司が有名で、小樽寿司屋通りというのもあって、数十件の大小様々な店が競い合って商売をしている。
 僕はここでの昼飯は海猫屋に決めていた。海猫屋は小林多喜二の小説「不在地主」のモデルとなった「磯野商店」が建てた倉庫

 ここは小説や映画の舞台となってから有名になった店で、村松友視の小説「海猫屋の客」大林宣彦監督の撮影した映画「はるか、ノスタルジー」にも登場して、その結果益々観光客が増えたという。
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 住所は小樽市色内2丁目2番14号で電話番号は、0134-32-2914、昼の営業: 午前11時30分~午後2時00分、夜の営業: 午後05時30分~午後10時00分という営業時間の喫茶店である。 
 大林宣彦監督の撮影した映画「はるか、ノスタルジー」は見たことがあるが、ここで主役のはるか人気少女説作家の綾瀬慎介(このキャラは蟹工船の小林多喜二よりも、「チャタレー婦人の恋人」の翻訳とわいせつ裁判で有名な伊藤整を思い出す人物。真面目で一途でせつない男を演じて熱演していた。)が自分探しの旅を始めた場所。  
 早速この店でお薦めの開店以来変わらない味を保っている海猫屋特性カレー(840円)を注文した。(ちなみに、朝はうどん付き牛丼セット、450円をフェリー乗り場の近くで食べた。)

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 このカレーであるが、カーフェリーで食べたビーフカレーよりは数段上質で、店の看板となるような少し辛めの深みのある味付けだった。 
 ここでカレーを食べながら、小樽運河で買い半分ほど残っていた小樽の水のボトルも飲み干した。  
 店は、僕のように一人旅のものは皆無で、大体が女性のグループか若い男女のカップル(中年の方はいなかった。若者の居やすい場所です。)だった。 
 
 カレーをかき込むと、休む時間も惜しくて、海猫屋の外へ出た。

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 海猫屋の入り口は、蔦が感じよく生い茂り、もう1回来てみようかなという気分にさせるほど洗練されていると思った。 
 これから僕は、「はるか、ノスタルジー」と「ラブレター」の舞台となった小樽の街を散策する。

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