耽羅紀行(済州島の旅) その33 夕食はKさんの凄い旅行体験で盛り上がる
柱状節理帯の見学が済めば、今日の日程は終了である。
赤枠で示した範囲にある2日目の見学は天候にも恵まれ、終わってみれば三日間の日程の中で一番充実した日となった。
バスに乗り、1時間程かけて再び済州市に戻り、市内のレストランでアワビ定食(鮑バター焼きと鮑石釜ご飯)の夕食となった。
バター焼きの鮑は、高級品のためか切り身が小さく量も少なく、期待していた割には不完全燃焼だった。
鮑石釜ご飯も、どこに鮑が入っているのかわからなかった。
それでも、この夕食はKさんの旅行体験が聞けたことで盛り上がった。
Kさんとは毎食向かい合って食事をしていたが、食事のことや世間話などが中心で、突っ込んだ話をしたことが無かった。
それではKさんの話された範囲での自己紹介と旅行体験をここで紹介しよう。
Kさんは東京の日本橋生まれの明るい魅力的な方で、現在は札幌に住んでいるとのことで、既婚か独身かは会話の中には出て来ず、結果としては謎の女だった。
Kさんの旅行歴は、僕のような海外旅行経験の浅い人間にとっては「凄い」の一言となる。
そのことを前には出さなかったが、彼女はほとんど世界中を旅している手馴れたトラベラーだったのだ。
ヨーロッパではフランス、イタリア、スペインを各4回ほど、南米ではブラジルやペルーにも行ったことがあり、アジアでは韓国や中国はもちろんのことで、シルクロードを何回が経験していて、なんとアフリカまで足を伸ばしていた。
彼女の旅行体験で最も羨ましかったのが世界の四大瀑布(南アメリカ大陸のアルゼンチンとブラジルにまたがるイグアスの滝、アフリカ大陸のジンバブエとザンビアにまたがるヴィクトリアの滝、北アメリカ大陸のアメリカ合衆国とカナダにまたがるナイアガラの滝、そして南アメリカ大陸ベネズエラのエンジェルフォール)の制覇の話だった。
他の三つの滝はアプローチも簡単だが、ベネズエラのエンジェルフォールは滝に近づくこと自体が冒険となるような滝である。
このエンジェルフォールを旅した時の話をじっくりと聞きたかったが、そこで他のグループの食事時間が終了し、僕らも盛り上がった話をやめなければならなかった。
Kさん、また世界のどこかで出会えると思うので、その時またお話しましょう。
ぼくらは食事のあとホテルに戻った。
そしてベッドに横になったが、僕の使っていたのは奥のシングルベッドで、手前のダブルベッドは未使用のままにしていた。
ところで、Kさんの部屋だが、実は僕の隣の339号室である。
手前のベッドでKさんとターザンの話など(何でターザンなのか、それは二人の秘密)で盛り上がりながら寝れたら、などと本気で思いながら、奥のシングルベッドで一人で静かに眠った。
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