「オホーツク街道」の旅 その5 気分だけは最高潮のまま、今回のイトウ釣りの全日程を終える

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 猿払川のセカンドステージ新猿払橋の下(2の場所)である。

 この川を熟知していて年間50匹以上のイトウを釣り上げる地元釣り師とは違って、僕はこの川を何も知らないのである。
 今日初めてこの川に会って、今日初めてキャストするのである。
 ただ、出会い頭の偶然ということも世の中には有りうる事で、石狩川で58cmの虹鱒に出会った時のことが、再び僕の記憶の中で鮮明になってきた。

 中・上流域から下流の新猿払橋にまで戻ってきて、橋の手前に車を停めた。

 
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 新猿払橋があるということは猿払橋という橋もあるのだが、僕はどこにその橋があるのかも知らないでいる。

 どこにイトウが居着いているかすら知らないで釣ろうというのだから、イトウにも地元の釣り師にも失礼な態度での釣りである。

 
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 この辺りの川幅は30m位はあるだろうか、大魚は何処かでじっとしていて、まったく新参者の釣り師には関心すらもなく、悠々としているのだろう。

 ただイトウ釣りの聖地を訪れるだけで喜びとなる旅の釣り師にとっては、釣れようが釣れまいがそんなことはどうでもいいことなのである。
 聖地でのワンキャストツーキャストそれ自体が目的であり目標となる。

 
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 この釣り場でもどこかに漂っているヒグマの気配に怯えながらの釣りとなったが、ヒグマの全く居ない風景は日本の極北の原野には似合わない。

 
彼らの存在が自然を引き締め、彼らの存在を感じることで、自然に対して謙虚になれるような気がした。


 時間の感覚がまるでなくなっているが、この時点でとうに午後に入っている。
 午前7時半から釣り出して、休憩なしで知来別川、猿骨川、猿払川と移動しながらキャストを繰り返してきた。
 唯の一度もイトウに出会わなかったが、唯の一度も休むことなく、イトウを求めて5時間連続でキャストを繰り返してきた。

 サードステージ(最終ステージ)は最下流の河口に近い新富士見橋(の場所近辺。
 ボロ沼方向に車を進め、車が入れるところまで粘って、大河となった猿払川の川べりを攻めた。 

 
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 対岸では何を狙っているか知らないが、僕と同じようにキャストを繰り返している釣り師の姿があった。
 まるで僕自身を見ているようで、それでもここで1時間ほど場所を変えてキャステングを続けた。

 結局午後2時半頃まで新富士見橋周辺やボロ沼出会いに留まり、気分だけは最高潮のまま、今回のイトウ釣りの全日程を終えた。


 3時頃にこの近くのコンビニで、306円でカレーパンとハムを買い、遅い昼食とした。

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