ジュンチャンと世界を巡る 第35回 ギリシャ
ギリシャは、ヨーロッパ南東部、バルカン半島南部の半島とエーゲ海などに点在する大小3000もの島々から構成される国で、正式国名はギリシャ共和国です。
この国は古代文明発祥の地のひとつで、コロナ以前はアクロポリスなどの古代遺跡巡りや、ギリシャ神話の島々を巡る旅は、世界各地から観光客が訪れて大賑わいでした。
ところで僕が高校生の頃、西脇順三郎という難解な詩人の詩に出会いました。
それは、「太陽」という題名の詩です。
カルモジインの田舎(いなか)は大理石の産地で
其処(そこ)で私は夏をすごしたことがあった
ヒバリもいないし 蛇(へび)も出ない
ただ青いスモモの藪(やぶ)から太陽が出て
またスモモの藪( )へ沈む
少年は小川でドルフィンを捉(とら)えて笑った
「カルモジイン」は西脇の造語で、カルモジインはカッラーラ(古来大理石の生産地として知られていて、とくにカッラーラ・ビアンコと呼ばれる白大理石で著名であり、ミケランジェロのダビデ像などに用いられている。)だと考えらていますが、この詩の中の「太陽」にギリシャをイメージしたことは、今もって記憶の中に残っています。(「太陽」という題名の詩に出会った少年の日以来、ギリシャは釣り師にとっていつも明るい太陽の国でした。)
アテネは、オリンポスの12神のアテナの名から銘々。
スパルタは、神話上先祖神「ラケダイモン」の妻、スパルタからの銘々。
コリントスは、大陸とベロポネソス半島の付け根の部分にあるが、この意味は「道楽者、粋人」、「船乗りや商人のくつろぐ場所」です。
今でもまるで神話のようなギリシャの国を、釣り師は西脇順三郎の詩集を片手に、いつか旅してみたいと思っています。
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