ジュンチャンと世界を巡る 第36回はルーマニア
今回は、ブルガリアとハンガリーも、ルーマニアと一緒に旅します。
この国々も、ルーマニアと国の成立が似ていて、興味深い国々です。
ヨーロッパは、アジア人種であるフン族の民族大移動により、ゲルマン民族が西方へ追いやられ、ヨーロッパ諸国の原型の国々を形作って行ったという経緯があります。(この民族大移動で、原住民のケルト民族はアイルランドまで追いやられました。)
フン族の末裔のブルガル族の作った国が、ブルガリアヨーグルトの国「ブルガリア」です。
また、ハンガリーは中央アジアからアジア人種のマジャール(モンゴル→ムガール→マジャールと転訛」)人がオストマーク(現在のオーストリア)の東に居住し、建国した国です。
彼らの別称はオグル(人食い鬼)と言い、当時のヨーロッパを震撼させました。
そして、ドナウ河の北のルーマニアは、古代ローマ帝国時代はダキアと呼ばれて野蛮人の住む国だったのです。(ローマ人はゲルマン民族を下位に見ており、同民族のゴート人の意味は野蛮人となります。)
ダキアは、やがてダキヤ・ドナウ公国となり、19世紀末に、古代ローマ人の子孫の国という意味のルーマニアとなります。
この国のトランシルバニアのプラド3世は吸血鬼ドラキュラのモデルとなりました。
15世紀のルーマニアに生きたブラド3世は「串刺し公」の仇名を持ち、当時強大な勢力を持っていたオスマントルコ帝国と小国ながら渡り合い、トルコ兵2万人を串刺しにして、恐れられたトルコ軍を打ち破りました。
そのためルーマニアでは祖国を守った英雄として今でも尊敬を集めていますが、その残忍な行為の数々から、「ドラキュラ」というブラド3世のニックネームを使って吸血鬼に仕立て上げられたたのです。
もう一人ドラキュラのモデルになったと言われているのが、「血の伯爵夫人」として有名な、ハンガリー王国の貴族、エリーザベト・バートリです。
650人もの若い女性を殺し、その生き血で風呂につかり、永遠の若さを得ようとしましたが、彼女もまさに吸血鬼と呼ぶにふさわしい人物ですね。
皆さんはルーマニアと聞いて、何を思い、何処を旅してみたいですか。
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