石狩川への旅 その9 岩井俊二の「ラブレター」
韓国ドラマ「冬のソナタ」が大ブレークしたのは2002年の日韓共催のワールドカップ大会以降だったと記憶している。
しかし、これより先に韓国や東南アジアで大ブレークした日本映画がある。
これが岩井俊二監督、中山美穂の主演で日本でも評判となった小樽が主要な舞台となる「ラブレター」である。
しかし、これより先に韓国や東南アジアで大ブレークした日本映画がある。
これが岩井俊二監督、中山美穂の主演で日本でも評判となった小樽が主要な舞台となる「ラブレター」である。
が、ユーモアを込めて描かれて、僕は、爽やかな印象の残る作品として記憶に残している。
韓国では1999年に公開され大ヒットし、韓国社会に「ラブレター現象」を巻き起こし、あれからもう10年が過ぎようとしているのに、韓国での小樽人気は続いているという。
それも、舞台と同じく、冬の小樽に人気が集まり、日本での冬のソナタ人気が長い間続いた江原道の春川市のような状態となっているようである。
韓国からきた仕事盛りの旅行者が、わざわざ冬の小樽を選んだ理由を聞かれて、「お元気ですか―」と当時韓国中で流行語となった言葉を言って、ニヤッと笑ったという。
キット、冬の小樽で寒さに震えながら、映画のシーンのように、「お元気ですか―」と言いたかったのだろう。
僕は、往路のカーフェリー一等室内で岩井俊二の小説「ラブレター」を読んでいたこともあり、時間もあったので、このロケ現場を3箇所程回ってみた。
現存していた頃の冬の坂(ばん)邸 ↑
小説では小樽市銭函2丁目に藤井樹(女)の家があることになっていて、実際のロケに使われたのが銭函の高台にある、この坂(ばん)さんというお宅だった。(しかし、この建物は2007年に火災に遭って現在は存在していない。僕ももちろんここへは行かなかった。)
それで、同姓同名の藤井樹が図書委員として過ごした小樽市立色内中学校を、手始めに訪れてみることにした。
この中学校は小説の世界だけに存在する中学校で、実際にはこの名前の小学校は存在するが、色内中学校の方は小樽(小説上では小樽市銭函にある。)には存在していない。
色内中学校のロケ地は4ヵ所、そのうち最も多く使われたのが小樽市立朝里中学校である.
小樽市立朝里中学校 ↑
ここは「はるかノスタルジー」の舞台ともなった朝里川温泉の入り口にある町で、小樽の中心部から東へ車で
小説では小樽市銭函2丁目に藤井樹(女)の家があることになっていて、実際のロケに使われたのが銭函の高台にある、この坂(ばん)さんというお宅だった。(しかし、この建物は2007年に火災に遭って現在は存在していない。僕ももちろんここへは行かなかった。)
それで、同姓同名の藤井樹が図書委員として過ごした小樽市立色内中学校を、手始めに訪れてみることにした。
この中学校は小説の世界だけに存在する中学校で、実際にはこの名前の小学校は存在するが、色内中学校の方は小樽(小説上では小樽市銭函にある。)には存在していない。
色内中学校のロケ地は4ヵ所、そのうち最も多く使われたのが小樽市立朝里中学校である.
小樽市立朝里中学校 ↑
ここは「はるかノスタルジー」の舞台ともなった朝里川温泉の入り口にある町で、小樽の中心部から東へ車で
10~15分位のところにある。
小樽市街地から30分以上もかかる銭函よりはなにかと便利なロケ現場である。
この学校の図書館をロケ地として、同姓同名の藤井樹(いつき)という名の男女が繰り広げた、男の側からの一方的でわかりにくいそれゆえピュアな清潔感の溢れた恋物語の撮影が行われた。
図書館の、誰も読む人がいないような難しい本の貸し出しカードに、藤井樹という名を長期に渡り膨大な量書き続けた藤井樹(男)が、実は藤井樹(女)の名を書いたのではないかと10年も経ってから分るような秘めた愛(こういうのは標本に取って置きたいようなピュアな恋の見本)が展開された舞台も見たかったが、実際は校門前で二人の世界をしばし味わっただけに留まった。
誰も読むことなんて無さそうな本にそんなイタズラをするのはスリルがあり、けっこう楽しそうだと思うし、たぶんこの映画後、図書館は悪ガキサン達のイタズラの跡でいっぱいになっているのでは・・・・・・・・・・・
そんなことを考えながらここを後にした。図書館での勤務成績が良かったのか、藤井樹(女)は図書館司書として小樽市の市立小樽図書館に勤務することになる。
その撮影現場は現在の小樽市博物館(旧日本郵船小樽支店)で、ここは外から見るだけで、実際の図書館で図書館カードというものがどんなものか確認したくなったので、小樽市立図書館へ行ってみた。
小樽市街地から30分以上もかかる銭函よりはなにかと便利なロケ現場である。
この学校の図書館をロケ地として、同姓同名の藤井樹(いつき)という名の男女が繰り広げた、男の側からの一方的でわかりにくいそれゆえピュアな清潔感の溢れた恋物語の撮影が行われた。
図書館の、誰も読む人がいないような難しい本の貸し出しカードに、藤井樹という名を長期に渡り膨大な量書き続けた藤井樹(男)が、実は藤井樹(女)の名を書いたのではないかと10年も経ってから分るような秘めた愛(こういうのは標本に取って置きたいようなピュアな恋の見本)が展開された舞台も見たかったが、実際は校門前で二人の世界をしばし味わっただけに留まった。
誰も読むことなんて無さそうな本にそんなイタズラをするのはスリルがあり、けっこう楽しそうだと思うし、たぶんこの映画後、図書館は悪ガキサン達のイタズラの跡でいっぱいになっているのでは・・・・・・・・・・・
そんなことを考えながらここを後にした。図書館での勤務成績が良かったのか、藤井樹(女)は図書館司書として小樽市の市立小樽図書館に勤務することになる。
その撮影現場は現在の小樽市博物館(旧日本郵船小樽支店)で、ここは外から見るだけで、実際の図書館で図書館カードというものがどんなものか確認したくなったので、小樽市立図書館へ行ってみた。
小樽市立図書館図書室 ↑
この建物は藤井樹(女)が肺炎で担ぎ込まれる病院として登場した小樽市役所のすぐ裏手にあった。
そこの前の狭い駐車場の身障者駐車スペースに無理やり車を駐車させ、あたりを見回して誰にも叱られないのを確認後、図書館に入館し、書棚に手を入れて裏のカードだけを見てみた。
ここにも、藤井樹(男)のような悪ガキが居て、汚れ無きイタズラにチャレンジしているのではないかと十数分そのあたりの本を手当たり次第調べてみたが、実際はそう簡単に分るはずも無かった。
興奮した胸を鎮めて、動悸が治まるのを待って小樽市立図書館を出た。
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