奈良大和路散歩(2016年の旅) その40 絶景の長谷寺を散策
長谷寺の本堂に到着した。
左手には鐘楼が建っていて、これから特別拝観期間となっている本堂の中に入っていく。
入堂料500円の他に特別拝観料1000円を払うと、この期間限定で普段は関係者以外立ち入りが禁止されている国宝本堂の中に入る事ができ、観音様のお御足に直接触れてお参り出来るという。
高いなあと思って迷ったが、もうここに来ることもないだろうと思い直して、拝観料1000円を払って本堂の中に入った。
本堂の中は写真撮影が禁止されていたので、この写真はネットから借用した。
長谷寺の本尊像は、720年代に近隣の初瀬川に流れ着いた巨大な神木が大いなる祟りを呼び、恐怖した村人の懇願を受け開祖徳道がこの神木を観音菩薩像に作り替え、初瀬山に祀り長谷寺開山となったと伝えられている。
現在の本尊像は1538年の再興で、仏像彫刻衰退期の室町時代の作品だが、10メートルを超える巨像で、国宝・重要文化財指定の木造彫刻の中では最大のものである。
本像は通常の十一面観音像と異なり、右手には数珠とともに、地蔵菩薩の持つような錫杖を持ち、方形の磐石の上に立つ姿である(左手には通常の十一面観音像と同じく水瓶を持つ)。
本尊を安置する正堂を出て、本堂前の参詣者のための空間である礼堂まで歩いた。
礼堂の前は絶景となっていて、長谷寺の伽藍の背景には遠くの山々が遥かに見渡せた。
また、深く生い茂った新緑の樹々の間から、形の良い五重塔が見えていた。
境内を歩いて、この五重塔の下に到着した。
この塔は昭和29年に戦後日本に初めて建てられた五重塔で、昭和の名塔と呼ばれている。
純和様式の整った形の塔で、塔身の丹色と相輪の金色と軽快な檜皮葺屋根の褐色が、背景の新緑とよく調和して見栄えがした。
五重塔から阿弥陀堂のある奥の院に行き、そこから登廊の方へ下っていく途中で、色鮮やかな五色幕で飾られた本堂が、樹間からすっきりと見えた。
色鮮やかな五色幕で飾られた本堂が見えるスポットが、長谷寺の境内には幾つかあるようで、その場所は写真撮影の絶好なスポットとなっていた。
長谷寺を下ってきてふもとまで来たが、そこにも絶景スポットがあり、ここでも僕は迷わずシャッターを切っていた。
急ぎ足で廻ったが、やはり長谷寺は噂通りの美しい寺だった。
昼食は長谷寺の門前で、最速で出来ると店主が言ってくれた600円のビーフカレーを大急ぎで腹に詰め込んだ。
午後から乗る桜井駅発のコミュニティバスに間に合う電車の発車時間が迫っていたので、食べ終わるとすぐに店を出た。
長谷寺駅までの最後の上り坂はかなりしんどかったが、なんとか電車に間に合った。
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