スカンジナビア半島に住む北ゲルマン民族
今日は、ゲルマン民族を見てみよう。
ゲルマンは、言語により東ゲルマン、北ゲルマン、西ゲルマンの三つに分類される。
今回はスカンジナビア半島に住む北ゲルマン民族に焦点を当てるが、フィンランドにもふれる。
ノルウェーは北ゲルマン民族の国
バイキングを生んだ国として有名だが、もともと、バイキングは入り江の人々の意味。のちに海賊となって暴れまわった。
ところで、スカンジナビア三国を歩くには適当な物語がある。
五木寛之の白夜物語である。
この中の「夏の怖れ」の主要なモチーフに使われているのがムンクの絵。
橋の上で耳を押さえている「叫び」という作品がそれだが小説の中でうまく使っていて、スカンジナビア風の憂鬱な眼を持った娘に会いに行きたいと考えたこともあったヨ。
ノルウェーは彼らの言葉ではノルゲ王国と言い、その意味は北航路の地。
ちなみにオスロは神聖な森の意味。
村上春樹の「ノルウェーの森」は北欧の憂鬱で深く暗いイメージを髣髴させる作品。
スウェーデンも北ゲルマン民族の国。
この民族の中のスベリ族がスベリエ王国を建国した。
つまり、スウェーデンのこと。
このスベリ族は白い皮膚、長身、金髪というもっともゲルマン的な特徴を有している民族。
五木寛之の白夜物語にはこのスベリ族の血を色濃く受け継ぐ娘との夏至祭りを頂点としたミュージシャン達の物語が「白夜のオルフェ」というタイトルで書かれている。
またここの首都であるストックホルム(杭で囲んだ島の意味)は、ノーベル賞の授賞式が行われるところだが大江健三郎はノーベル文学賞の授賞式で「あいまいな日本の私」というタイトルの記念講演を行った。
彼は、ハックルベリー・フィンの冒険と同じように少年時代に愛読したニルスの不思議な旅に触れ、やがて自分もスカンジナビア半島を飛ぶ旅に出ることを予知していたと語っていた。
スウェーデンは僕には非常に魅力的な国の一つ。
そしてフィンランド。
フィンランドは初対面のイメージとしてはトナカイとサンタがいてサウナのある美しい森と湖の国かな。
ただ、フィンランドは他のスカンジナジア諸国とは決定的に違うところがある。
フィンランドはゲルマン民族の国ではない。日本人と同じ、アジア民族の国である。
このフィン族はどこからやって来たかというと、ボルガ河の中流域からで、彼らの先祖はアジア系遊牧民でその末裔達が紀元前後に長い時をかけてフィンランドの地に移住した。
日露戦争でフィンランドをロシアから独立させたことや同じアジア人種ということで、日本人には好意的とか・・・・。
五木寛之の白夜物語の中で「霧のカレリア」という小説がある。
ここに出てくるカレリア地方は、フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」の地であり、最もフィンランドの原風景が残っている地方だと言われている。(カレワラの物語は、ドラクエ作成の参考資料になったとか?)
この国は、隣国の強国であるスウェーデンとロシアに交互に、長い間支配されていた。
言わば、中国と日本に挟まれた朝鮮のような国。
もともとフィンランドの領土だったカレリアの地は第二次世界大戦で割譲され今もロシア領のままである。
日本の北方四島もいつ帰ってくるのだろうネ。
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