ジュンチャンと世界を巡る 第41回はヨーロッパのミニ国家
今回と次回は、ヨーロッパのミニ国家を取り上げます。
ミニ国家とは規模の非常に小さい主権国家のことで、極小国家、微小国家、マイクロステートなどともいいます。
成立には二通りあり、一つ目が宗教的意義からある地域に特権的な地位が認められ、国家となっている例で、バチカンがこれにあたります。
二つ目が、小国が近代国民国家の形成過程で大国に取り込まれることなく主権国家として認められるようになったものや、欧州の領邦国家などがそのまま残ったもので、リヒテンシュタイン、モナコ、アンドラ、サンマリノなどがこれにあたります。
ミニ国家は領土が小さいながらも国家として体制を維持し存立し得る理由として様々な基盤をもっている場合が多いのです。
バチカン(人口は1000人以下)はカトリック教会の総本山で、イタリアとの「国境線もガードレール風の柵があるだけで、国境検問所の類いは一切無く、よって出入国管理体制もなく、国内は公開の区域に限り入場は自由で、イメージとしては街中にある教会堂とその敷地に近い感覚の宗教国家です。
モナコ(人口は36000人ほど)やサンマリノ(人口は33000人ほど)は観光資源を基盤に持つ国家です。
モナコは小さいながらも立憲君主制国家で、陸側周囲をフランスに囲まれ極端に山がちですが、観光資源に恵まれ、熱帯公園やカジノやF1モナコグランプリなどで賑わっています。
また、タックス・ヘイヴンであることなどから住民の84%が外国籍(フランス国籍47%、イタリア国籍16%、その他21%)となっていて、純粋なモナコ国籍者は16%しかいないのです。
サンマリノはイタリア半島の中東部に位置する共和制国家で、首都はサンマリノ市、国土の周囲は全てイタリアで、国土の面積は十和田湖とほぼ同じで、また現存する世界最古の共和国として知られています。
サンマリノは中世の街並みが現存し、街中が世界遺産となっていて、まるで天空の城を散策するような感じでまち歩きができ、街歩きの途中でムード満点のカフェで休むこともできます。
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