石狩川への旅 その17 石狩川源流地にて
北海道で一番の高峰は大雪山系(大雪山という山は存在せず、正確には大雪山系と呼ぶべき山々)の旭岳(2291m)である。
石狩川の源流地である石狩岳(1967m)は石狩川本流を挟んで旭岳とは反対の山系の山である。
この石狩岳から流れるクチャンベツ川が石狩川の源流だが、ここへ行く道路はゲートにより閉ざされており、通行するには上川中部森林管理署の許可がいる。
今回は許可を得る時間も無く、やむをえず北海道の最高峰である旭岳方向から流れ出るヤンベタップ川沿いの道を上ることにした。
この川も、石狩川の源流の川の一つである事に違いはない。
また自家用車での進入は、大雪山系が9月下旬まで紅葉期ということで交通規制がしかれるため不可能で、大雪レイクサイドシャトルバス乗り場に自家用車を駐車させ、高原温泉行きのシャトルバスに乗り込んだ。
石狩川の源流地である石狩岳(1967m)は石狩川本流を挟んで旭岳とは反対の山系の山である。
この石狩岳から流れるクチャンベツ川が石狩川の源流だが、ここへ行く道路はゲートにより閉ざされており、通行するには上川中部森林管理署の許可がいる。
今回は許可を得る時間も無く、やむをえず北海道の最高峰である旭岳方向から流れ出るヤンベタップ川沿いの道を上ることにした。
この川も、石狩川の源流の川の一つである事に違いはない。
また自家用車での進入は、大雪山系が9月下旬まで紅葉期ということで交通規制がしかれるため不可能で、大雪レイクサイドシャトルバス乗り場に自家用車を駐車させ、高原温泉行きのシャトルバスに乗り込んだ。
乗客は僕を入れて4名で、このバスは30分ごとにレイクサイドから高原温泉に向けて出発する。
乗りこんだ時間は午前8時半、約10kmの道程を25分かけて砂埃をあたり一面に撒き散らせながら上っていく。
中はこんな様子で、前部には1人も乗っていない。
同乗した中年女性の3人組は、揺れの酷さと強引な運転に酔ってしまったのか、一人も声を出さない。
シャトルバスを運行するほどの観光地なのだから舗装道路にしてしまえばいいのだが、国立公園の中ということで、自然保護の観点から厳しい規制がかかっているようである。
バスの揺れで辺りの風景を楽しむ余裕も無く、我慢状態の半時間後、目的の高原温泉に到着した。
ここの標高は1260m、レイクサイドから500m程上ってきた。
最高峰の旭岳山頂に到達するには、まだ1000mも上らなければならない。
だが、ここはもう北海道一の猛獣である羆(ヒグマ)の濃い生息区域でもある。この高原温泉の駐車場の一角に、ヒグマ情報センターというものが建てられていた。
ここから上を目指す登山者全員に、この情報センター内で、ヒグマについてのレクチャーが行われる。
本州にいるツキノワグマは平成22年の秋に人里に出没し、相当数の被害を人畜に与えたが、ヒグマの被害はツキノワグマとは比べ物にならない。
ツキノワグマは怪我程度で済むことがほとんどで、体格が小型の場合は戦うこともできるが、ヒグマは猛獣、出会えば生き死にの問題となり、戦うことなど不可能、上手に逃げることだけが選択肢となる。
大雪高原沼めぐりコースでの写真の赤い点の一つ一つが、ヒグマの出現した場所を示している。
情報センター内でヒグマレクチャーを受けたが、常に集団で行動することが必要だと感じた。
ヒグマの生息圏では、人間は弱い魚達や鳥達と同じ、ヒグマの餌にならないよう固まって行動することが最重要。
弱い人間達の単独行動を、ヒグマ(猛禽類や大型の肉食魚類達と同じ)は森の奥からじっと待っているのである。
ここでの主人公はヒグマであり、彼らが生態系の中心に位置し、人間以下の生き物達は恐れおののいて過ごすこととなる。
僕は木曽川の旅で、ツキノワグマの生息域を横断したことがあるが、単独行は熊除けの鈴くらいでは不安の解消にならない。
ただ、探険家星野道夫の言葉のように、「もし大自然の中にヒグマ(グリズリー)の存在が無かったら、そこは安全だが、何とつまらない世界になるだろう」という考えに共感を覚えるものである。
探険とか冒険とかいうものは、安易で簡単なものであっては、安っぽいものに成り下がってしまう。
鰯(イワシ)の群れになって、紅葉の絶景に出会うために高原沼を散策する集団の一員になるには、まだ40年の時を必要とするようである。
充分準備が出来、ヒグマとの遭遇もやり過ごすことが出来る将来のために、これ以上の単独行は行わないことに決めた。
この1泊食2付き1万5千円程する大雪高原山荘で、風呂に入って溜まった垢を流し、しばらく休養してから 下山することにした。
ここの風呂は700円で入ることが出来、更に露天風呂まで付いていた。
ヒグマは今頃、冬眠に備えて木の実や小動物を探し回っているんだろうなと考えながら、不十分だが自分なりに納得している、石狩川源流制覇の喜びを静かに満喫した。
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