奈良大和路散歩(2016年の旅) その44 金峯山寺まで歩く

道路工事中の道を七分ほど歩くと、右手に「史跡 名勝吉野山」と書かれた石柱が立っていた。


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吉野山には金峯山寺、吉水神社、如意輪寺、竹林院、桜本坊、喜蔵院、吉野水分神社、金峯神社など、他にも多くの社寺が存在する。

「吉野山」とは、1つの峰を指す名称ではなく、これらの社寺が点在する山地の広域地名なのである。

これらの社寺の中で、まず金峯山寺を目指して歩いていく。


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この坂はかなりの急坂で、左手には土産物屋が並んでいる。

この坂をしばらく上っていくと、土産物屋や旅館や食べ物屋などが立ち並ぶ吉野山の繁華街に入っていく。


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大きな旅館や土産物屋を見ながらしばらく繁華街を歩いて行くと、どうやらここで繁華街は終わって、向こうに大きな銅鳥居(かねのとりい)が見えてきた。


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この鳥居に入ってまたしばらく歩いていくと、そこに金峯山寺の仁王門(国宝)が見えてきた。


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さらに近づいて行くと、今も工事中であるが、平成31年から大修理が始まるということで、大きな横断幕が仁王門に掛かっていた。

金峯山寺(きんぷせんじ)は、吉野町にある金峰山修験本宗(修験道)の本山で、本尊は蔵王権現、開基は役小角と伝えられている。

また金峯山とは単独の峰の呼称ではなく、吉野山とその南方二十数キロの大峯山系に位置する山上ヶ岳(奈良県吉野郡天川村)を含む山岳霊場を包括した名称であった。

仁王門をくぐって、金峯山寺の中心である本堂(蔵王堂;国宝)の正面に立った。


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この堂を見た第一印象は、兎に角大きいという言葉に尽きる。

本堂は山上ヶ岳の大峯山寺本堂(「山上の蔵王堂」)に対し、山下(さんげ)の蔵王堂と呼ばれている。

屋根は入母屋造檜皮葺きで、2階建てのように見えるが構造的には一重裳階(もこし)付きである。

豊臣家の寄進で再興されたもので、1592年の建立とのこと。


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実際に人がこの前に立つとこんな感じで、高さ34メートル、奥行、幅ともに36メートルもあり、木造の古建築としては東大寺大仏殿に次ぐ規模をもつといわれる豪壮な建築となっていた。


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ここの本堂には本尊として3体の巨大な蔵王権現像(秘仏)が安置されているという。

像高は中尊が728センチ、向かって右の像が615センチ、左の像が592センチである。寺伝では中尊が釈迦如来、向かって右の像が千手観音、左の像が弥勒菩薩を本地とし、

それぞれ過去・現世・来世を象徴するという。

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