2018年7月14日 「夏の盛り、7月の女川」 その1 源流釣り師に出会う

 7月に入って最初の釣りだが、今日は女川の小和田橋の上流と下流を釣ることにした。
もちろん釣りの対象は7月解禁となったアユではなくいつもの山女、アユ釣りの季節は彼らを避けながらの釣りとなる。
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この小和田橋に7時半過ぎに到着して朝飯の準備をしていたら、トヨタFJクルーザーに乗った二人組が小和田橋手前で右往左往してから停まって、そのうちの一人が車から降りてきた。
車のカッコよさの割にはくたびれたおっさん釣り師だった。
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彼らの乗っていたのはこんな仕様の車で色は黒だった。
群馬の前橋から来たとかで、「女川の車止めまではどう行ったらいいか」と聞いてきたのである。
ちょうど持参していた「2003山岳渓流地図(関川村) 」でその道を簡単に説明した。
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女川の上流地帯は源流釣りの聖地で、マニアの中には渓流銀座などと言ってる方もいるらしく、2泊3日程度の源流釣行を楽しむ人でけっこう賑わうところだという。
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この地図で説明すると、彼らが今いるのは四つ星印の小和田橋で、ここから山道を通って、五つ星印の女川の車止めまで行こうというのである。
彼らはどこで釣るのかまで言わなかったが、おそらく女川源流地帯の人気スポットの黄↓の白沢を釣るのであろう。
彼は前に1回女川源流に来て、その時40cmクラスを釣り上げたことがあると自慢気に話していた。
「ここを1泊2日でやり、もう1日は大石川の東俣沢をやる。流されたら拾ってくれ」と冗談とも本音ともつかないことを言って、「源流釣り師」は車に戻って、さっと僕の前からいなくなった。
山女釣り師は、この川で岩魚釣り師もしていた頃のことを思い出した。
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今から30年ほど前の渓流釣りを始めて間もないころのことであるが、師匠と車止めまで入って、黄線で示した断崖絶壁の女川右岸を高巻きしながら、道なき道を藪コギして歩いた思い出である。
なんとか降りれる場所を探して、ゴルジェ地帯の大渕の奥深くに潜む大岩魚を求めて歩いたが、結局この釣行は徒労に終わってしまった。
往復2時間程藪をこぎまくったが、最終的に道に迷ってしまい、大渕に降りることすらできず引き返した。
最も、この釣行は車止め付近の堰堤で山女の入れ食いを経験して、ハッピイエンドに終わってはいたが。(秘密の穴場も師匠から教わった。)
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結果論だが、大渕まで降りられないで良かったと今では思っている。
その代償として、「山女の入れ食い経験」は「一生の宝」になり、秘密の穴場は今でもけっこう役に立っている。
あの時の僕は、「流されたら拾ってくれ」と言うしかない状況に陥った可能性が高かった。
師匠は兎も角、僕の方は装備も技術も全く未熟で、とても源流釣行などできる訳がなかったのである。
ここで「2016年春 渓流」の記事の中からサバイバル登山家として有名な服部文祥の「荒川支流女川」掲載の写真を一部引用する。
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女川源流の白沢ゴルジェ帯を毛バリで攻める服部のカッコいい写真である(「2016年春 渓流」から)
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これも服部の写真であるが、ここには尺岩魚は居そうにないが、いかにも源流釣りそのものの世界が広がっている。
釣り師の誰もが憧れる世界だが、「家族持ちとなると少し考えてしまう」魅力に溢れる源流釣行の世界である。

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