歴史・地理雑学 プル(pur)「集落・城塞を意味」が世界を駆け回った話

 インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)のサンスクリット語は古典学術用語として栄えたラテン語・ギリシア語とともに「三大古典印欧語」と称される。


 このサンスクリット語で「集落・城塞」を意味するプル(pur)という言葉がある。


 今日はこのプル(pur)が世界を駆け回った話。


 直接purに由来する地名は、インド、東南アジアに多数ある。


インド


ジョドプール(Jodhpur、ジョド王の城塞都市)

ジャイプール(Jaipur、ジャイ王の城塞都市)

ミルザプール(Mirzapur、太守の城塞都市

マンガロール(Mangalore、Mangalapurが古形、幸運の城塞都市)


パキスタン

ペシャワル Peshawar(Pushpapuraが古形、花の城塞都市)


バングラディシュ

ラングプル(Rangpur)

ジャマールプル(Jamalpur  


スリランカ

アヌラダプラ(Anuradhapura)

スリ ジャヤワルダナプラ コッテ(Sri Jayewardenepura Kotte)  


ラオス

シァニャブリー(Xiagnabouri)  



インドネシア

テラナイブーラ(Telanaipura)


タイ

サンカブリー(Sangkhlaburi)

トンブリー(Thonburi)


シンガポール (Singapore←Singa+pura、獅子の城塞都市の意)


トルコ

イスタンブール(Istanbul、Islam+bul イスラム教徒の城塞都市という語源説が有力) 



 ヨーロッパに伝播し、プル(pur)はポリスとなる。


ギリシャ


 アクロポリス(高台の町)



イタリア


 ネアポリス(新しい町・現在のナポリ)


リビア


 トリポリ(3つの町)



 韓国古代に伝播し、「城、集落」を表した「伐(Pur,Por)」 となる。 


 更にこの「伐(Pur,Por)」が「Mur、Maur、Mar」に音が変化し、「村(マウル)」となる。


 日本古代に伝播、Pur、Por は日本語の古語では「フレ」にあたり(「プレ」と発音していた)、日本の地名の「フル、バリ、ハル、ハラ」の語源となる。


 更にこの「伐(Pur,Por)」が「Mur、Maur、Mar」に音が変化し「本丸」「二の丸」のような城郭の一部を表す名称となる。


 言葉に限らず、人々もこのように、世界を流れ歩き回ったようです。 

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