ジュンチャンと世界を巡る 第51回はアメリカ
ヨーロッパを終え、今回からアメリカ大陸、最初の国はアメリカです。
ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ、フロリダ、カリフォルニア、メジャーリーグ、ベースボール、ハリウッド、自由の女神、ジャズ、ハンバーガー、オバマ大統領、トランプ大統領など、この国を思い浮かべると沢山の言葉が頭に浮かびます。
このアメリカの先住民族であるインディアンは、ベーリング海峡が陸続きだった頃、ベーリング陸橋をわたりアメリカ大陸へ渡ってきたモンゴロイドの末裔です。
西欧・北欧系移民が17世紀にヨーロッパから移住するまでは、アメリカは先住民族インディアンだけが住む場所でした。
西欧・北欧系移民の多くは、プロテスタント系の信仰の自由を求めて新天地にやって来た人びとで、その子孫はWASPと言われてその後のアメリカ国家の中核となっていきます。
1840年代からは主にアイルランドから年間100万単位での移民がアメリカに渡ってきましたが、その契機となったのは1845年からアイルランドで起こったジャガイモ飢饉で、彼等アイルランド系(Irish)は祖国での貧困から逃れるために移住したので、主に低賃金労働に従事して、一部の成功者を除いて都市の下層社会を構成しました。
彼らの多くはカトリックであったので、プロテスタント社会とは別個の社会を作っていき、彼らの中からケネディやレーガン、クリントン、オバマ、バイデンなどの大統領が次々と誕生し、アメリカでの成功者となりました。
黒人もアフリカから奴隷としてアメリカに連れて来られましたが、南北戦争の結果として黒人奴隷労働に依存できなくなったので、それに代わって急増したのがアヘン戦争に敗れた中国からの移民で、彼らは苦力(クーリー)ともいわれ、実質的には奴隷と同様の扱いを受け、同様にインド人も苦力と言われて、アメリカに移住しました。
20世紀に入るとイタリア人などの南欧系、ポーランド人・ロシア人などの東欧系の移民が増え、以前の西欧・北欧系の移民を「旧移民」というのに対して、この南欧・東欧系移民は「新移民」といわれました。(タイタニック号に乗船して犠牲になったのは、ほとんど新移民)
アメリカは独立後しばらく白人と黒人と褐色(インディアン)人の三色が主な人種でしたが、その後中国人や韓国人や日本人などアジア系の黄色人も移民してきて、最終的にアメリカは世界中の人種を集めて国が成り立っているという、たいへん珍しい国となったのです。
社会的な差別や人種間での貧富の差に直面しながらも、この国は第二次世界大戦後今日まで、あらゆる面でずっと世界一を保ち続けています。
ただ、一つ一つのジャンルをヨーロッパ諸国と比較すると浅薄な感じがしますし、経済大国で軍事大国ですが、歴史の深さや重みがまったく無く、気楽で手軽ではあるがゴチャマゼ文化みたいなとこがあり、洗練された美しさに欠けるような気がどうしてもするのですが・・・・
とにかく複雑な人種問題があり、人種間の経済格差があり、この国をまとめるのは神様でも難しいかとおもっています。
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