2019年 桜満開の季節の釣り その3 いつも心に氷の焔を
さっそく、いい思いをしている小和田橋上最初の堰堤の淵で、この日の第1投を投げ入れた。

10回ほどキャストを繰り返したが、小物の微妙な当たりが2回程あったきりで、「ここで1匹ゲット」とはならなかった。
今頃の藤沢川や女川は、1匹ゲットするのも大変である。

ここなら出てくれるだろうと思える場所も、やはり水量と水勢が多すぎて、渓魚が居つくにはまだまだのようである。
今日はどうやら、1匹の渓魚を釣るために、「遠回りをしなければならない」一日となりそうである。
こうなれば、例の二人組を避けながら、最初の狙い通り藤沢川を釣るしかない。

藤沢川の釣り場に入る途中、菜の花が綺麗に咲いていて、ここから見る光兎山もうっとりする程だった。
人影の見えない藤沢川のポイントに入った。
まず、ここの淵を狙う。

ここでまた、開高健の名言が頭に浮かんだ。
右の眼は 冷たくなければならず
左の眼は 熱くなければ ならないのである。

いつも心に氷の焔を つけておくことである。
数分ここで粘ったが1匹も出ず、ここはギブアップ。

続いて水量の多いこの場所のポイントと思える場所を、所かまわず釣り糸を流しては戻し、戻しては流した。
ここも、スカである。
良し解った、それならばスグに山菜取りに変更、ここからが「熱くて冷たい」釣り師ジュンチャンならではの行動となる。

まだ早くはあるが、藤沢川の川岸のあちらこちらに、コゴミが「春のワルツ」を踊っているかのように成長して、今まさに採り頃となっていた。
しばし釣りの手を休め、コゴミ採りに熱中、10分程でリュック四分の一程のコゴミを採った。
また、釣りの再開である。

釣りはそんな状況だが、今年も橋の向こうの桜は見事に咲き誇っていて、この中束集落は無事に冬を過ごし、春を迎えたのが確認できた。

中束橋を越えて堰堤まで釣ったが、藤沢川でも1匹も出ず、今日は釣り師の完全敗北となった。
しかし、中束集落の春は今年も厳しい冬に完全勝利したようである。
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